講義名 解析学特論B1(Advanced topics in Analysis B1) 科目コード:MTH.C406
開講学期 2Q 単位数 1--0--0
担当 小野寺 有紹 准教授:本館2階211号室(内線2213)
【講義の概要とねらい】
本講義および「解析学特論A1」では,楕円型方程式の過剰決定問題を題材とし,領域の変形を伴う偏微分方程式論の幾つかの典型的解析手法を学ぶことが目標である.
ここで扱う過剰決定問題とは,境界条件が過剰に課された偏微分方程式の境界値問題に対して,解が存在するための領域形状を問うものである.
例えば,古典的ディリクレ問題に付加的にノイマン境界条件が課された境界値問題が可解となる領域を問う問題は典型的であり,それは変分不等式や形状最適化問題のEuler-Lagrange方程式として現れる.
本講義では,可解領域の存在,一意性,対称性,および境界条件等の微小摂動に対する領域形状の変化の定量的評価について解説する.
また,それらの解析方法にも焦点を当て,移動平面法,変分法,積分恒等式に加え,線型化解析を基礎とする陰函数型定理や発展方程式的解析について紹介する.
【到達目標】
領域の変形を伴う偏微分方程式の解析手法に習熟する.
【キーワード】
偏微分方程式,過剰決定問題,最大値原理,変分法,解析的半群
【学生が身につける力】
専門力
【授業の進め方】
通常の講義形式で行う.適宜レポート課題を出題する..
【授業計画・課題】
第1回 | 過剰決定問題の変分構造1 |
第2回 | 過剰決定問題の変分構造2 |
第3回 | 過剰決定問題の一径数族と幾何学的発展方程式1 |
第4回 | 過剰決定問題の一径数族と幾何学的発展方程式2 |
第5回 | 解析的半群 |
第6回 | 最大正則性理論 |
第7回 | 幾何学的発展方程式の可解性 |
課題は講義中に指示する