講義名 数学特別講義C(Special lectures on advanced topics in Mathematics C) 科目コード:MTH.E433
開講学期 2Q 単位数 2--0--0
担当 本間 泰史 早稲田大学理工学術院 教授
【講義の概要とねらい】
スピン幾何学とは,スピノール場に作用するディラック作用素や特殊なスピノール場を用いて幾何学及び解析学を行う分野である.本講義ではスピン幾何学を研究するための基本事項(クリフォード代数.スピノール場.ディラック作用素,ツイスター作用素)を講義し,Friedrich固有値評価とキリング-スピノール場にを説明する.そして,Wangによる平行スピノールを持つ多様体の分類,Barによる実キリングスピノールを持つ多様体の分類について解説する.また,最近の話題としてスピン3/2幾何学を解説する.
これらの話題を通して,スピン幾何学が様々な幾何構造(アインシュタイン多様体,G2多様体などのリッチ平坦多様体など)と関わりがあり現代微分幾何学で重要であることが理解できる.
【到達目標】
・クリフォード代数,スピン群の表現の理解
・スピン多様体,ディラック作用素,ツイスター作用素の理解
・キリング-スピノール場とアインシュタイン多様体の理解
・キリング-スピノール場を持つ多様体と幾何構造の関係の理解
【キーワード】
クリフォード代数,スピノール場,ディラック作用素,キリング-スピノール場,アインシュタイン多様体
【学生が身につける力】
専門力
【授業の進め方】
通常の講義形式で行う.また,適宜レポート課題を出す.
【授業計画・課題】
第1回 | 次の内容を説明する予定である. ・クリフォード代数とスピン群,スピノール表現, ・スピン構造 ・レビチビタ接続,スピン接続,ホロノミー群 ・ディラック作用素と指数定理 ・固有値評価とキリング-スピノール場 ・アインシュタイン多様体と様々な幾何構造 ・ 分類定理(平行/キリング-スピノール場をもつ多様体の分類) ・スピン3/2幾何学 |
課題は講義中に指示する
【教科書】
使用しない
【参考書、講義資料等】
``スピン幾何学 -スピノール場の数学-'' 本間泰史 著 森北出版
``Real Killing spinors and holonomy’’, C Bär, Comm. Math. Phys. 154 (1993), 509–521.
``spin geometry'' by J. Figueroa-O'Farrill (@ https://empg.maths.ed.ac.uk/Activities/Spin/SpinNotes.pdf)
``spin geometry'' by C. Bär (@ https://www.math.uni-potsdam.de/en/professuren/geometry/teaching/lecture-notes)
【成績評価の基準及び方法】
レポート課題(100%)による.
【関連する科目】
MTH.B341 : 位相幾何学
MTH.B301 : 幾何学第一
MTH.B302 : 幾何学第二
MTH.B331 : 幾何学続論
MTH.C305 : 実解析第一
MTH.C306 : 実解析第二
MTH.C351 : 函数解析
【履修の条件(知識・技能・履修科目等)】
可微分多様体についての基礎知識