講義名 解析学特論B(Advanced topics in Analysis B)  科目コード:MTH.C402
開講学期 2Q 単位数 1--0--0

担当 利根川 吉廣 教授:本館2階203号室(内線2209)


【講義の概要とねらい】
本講義は1Q「解析学特論A」の続きである。幾何学的測度論の枠組みで考える平均曲率流である,Brakke流について,その定義や近年の研究結果について解説する.

時間でパラメター付けされた曲面族が平均曲率流であるとは,各時刻において,その曲面の平均曲率がその点における速度に等しいときである.平均曲率流は曲面積の勾配流とも考えられ,また動かないときには極小曲面となる.平均曲率流は特異点を発生するため,特異点を許容するクラスで解を考えるのが自然で,それは丁度幾何学的測度論で考えられるバリフォールドを使って表現できる.この講義ではそのようないわゆるBrakke流について,その定義から出発し,最新の研究結果までの理解を目指す.

【到達目標】
平均曲率流および幾何学的測度論を用いたBrakke流について理解する.

【キーワード】
平均曲率流,幾何学的測度論

【学生が身につける力】
専門力

【授業の進め方】
通常の講義形式による講義。

【授業計画・課題】

第1回 近似平均曲率ベクトル
第2回 近似平均曲率ベクトルの満たす評価 (1)
第3回 近似平均曲率ベクトルの満たす評価 (2)
第4回 時間離散近似平均曲率流の構成
第5回 極限測度のrectifiability定理
第6回 極限測度のintegrality定理
第7回 Brakke流の正則性定理


課題は講義中に指示する

【授業時間外学修(予習・復習等)】
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。

【教科書】
Brakke's mean curvature flow: an introduction, Springerbrief, Yoshihiro Tonegawa

【参考書、講義資料等】
特になし

【成績評価の基準及び方法】
レポートにより評価する.詳細は講義中に指示する.

【関連する科目】
MTH.C305 : 実解析第一
MTH.C306 : 実解析第二
MTH.C351 : 函数解析
MTH.C401 : 解析学特論A

【履修の条件(知識・技能・履修科目等)】
解析学特論A (MTH.C401) を履修していること。