講義名 位相空間論第四(Introduction to Topology W) 科目コード:MTH.B204
開講学期 4Q 単位数 1--1--0
担当 遠藤 久顕 教授:本館2階204号室(内線2208)
中村 聡 助教:本館3階312A号室(内線3398)
【講義の概要とねらい】
本講義は「位相空間論第三」に続くものである。特に、位相空間のコンパクト性、連結性、弧状連結性など、より幾何学的性質を解説する。コンパクト性は、一種の有限性を意味するものであり、その上の任意の連続関数が最大値と最小値をもつという著しい性質を持つ。連結性・弧状連結性は、空間がひとつながりになっているかを表すものであり、やはり基本的な概念である。これらの概念を、基本的な重要性を持つ例とともに解説する。また、距離空間の完備性や有界性についても解説する。
位相空間のコンパクト性と連結性は、空間の最も基本的な幾何学的性質であり、今後幾何学を学ぶ上で基礎となる概念である。また、ここで扱われる例は、いずれの数学を学ぶ上でも必須となるものである。完備性や有界性は、特に解析学を学ぶ際に重要になる。
【到達目標】
・連結な空間と非連結な空間を、多くの具体例とともに理解すること
・コンパクトな空間と非コンパクトな空間を、多くの具体例とともに理解すること
・コンパクト空間の持つ特別な性質を証明できるようになること
・完備距離空間の多くの性質を理解すること
【キーワード】
コンパクト空間、連結空間、弧状連結性、完備距離空間
【学生が身につける力】
専門力
【授業の進め方】
通常の講義形式による講義と問題演習形式の講義を交互に行う。
【授業計画・課題】
第1回 | 分離公理と連続関数 |
第2回 | 前回の講義内容に関する問題演習 |
第3回 | 位相空間の連結性 |
第4回 | 前回の講義内容に関する問題演習 |
第5回 | 位相空間の弧状連結性 |
第6回 | 前回の講義内容に関する問題演習 |
第7回 | 位相空間のコンパクト性 |
第8回 | 前回の講義内容に関する問題演習 |
第9回 | コンパクト位相空間の性質 |
第10回 | 前回の講義内容に関する問題演習 |
第11回 | 距離空間の完備性 |
第12回 | 前回の講義内容に関する問題演習 |
第13回 | 距離空間の位相的性質 |
第14回 | 前回の講義内容に関する問題演習 |
第15回 | 理解度確認 |
課題は講義中に指示する
【教科書】
「集合と位相」 内田伏一著 裳華房 (1986年)
【参考書、講義資料等】
「集合と位相」 斎藤毅著 東京大学出版会 (2009年)
「集合・位相入門」 松坂和夫著 岩波書店 (1968年)
「集合と位相空間」 森田茂之著 朝倉書店 (2002年)
「集合と位相」 遠藤久顕著 サイエンス社(2020年)
【成績評価の基準及び方法】
期末試験(およそ60%) および問題演習における解答状況(およそ40%)
【関連する科目】
MTH.B201 : 位相空間論第一
MTH.B202 : 位相空間論第二
MTH.B203 : 位相空間論第三
MTH.B211 : 幾何学概論第一
MTH.B212 : 幾何学概論第二
【履修の条件(知識・技能・履修科目等)】
位相空間論第二を履修済みであること。
位相空間論第一および位相空間論第二を履修済みであることが望ましい。
微分積分学第一・演習、微分積分学第二、同演習、線形代数学第一・演習、線形代数学第二、同演習を履修済みであることが望ましい。
【その他】
T2SCHOLAを使う。