講義名 位相空間論第一(Introduction to Topology I) 科目コード:MTH.B201
開講学期 1Q 単位数 1--1--0
担当 山田 光太郎 教授:本館2階231号室(内線3389)
中村 聡 助教:本館3階312号室(内線3398)
【講義の概要とねらい】
本講義の主要なテーマは集合と写像に関する基本的な概念と性質である。集合に関する基本的な演算を解説した後、集合の間の写像に関する基本的な概念(単射、全射、全単射)を学ぶ。次に、二項関係、特に同値関係について解説し、同値類および商集合について学ぶ。最後に、集合の間の相等について解説し、いわゆる濃度について学ぶ。また、隔回で講義内容に関する演習問題を行う。本講義は、引き続き行われる「位相空間論第二」に続くものである。
集合と写像は数学および周辺科学における基本言語であり、適用範囲の広い概念である。一方でこれらは抽象的な概念であり、必ずしも直感がはたらきやすいものではないため、多くの初学者にとっては理解しにくいものである。本講義では、集合と写像の基本的な性質を導くために、直感に頼ることの少ない純粋な論証を行い、数学における論理の進め方の典型例も学ぶ。
【到達目標】
・ド・モルガンの法則を自由に使えるようになること
・与えられた写像が全射になるか、単射になるか、全単射になるか判定できるようになること
・与えられた写像の像と逆像を求められるようになること
・同値関係と商集合の具体例を扱えるようになること
・連続の濃度と可算の濃度の違いを理解すること
【キーワード】
集合、写像、像と逆像、直積集合、二項関係、同値関係、商集合、集合の濃度、可算濃度と非可算濃度
【学生が身につける力】
専門力
【授業の進め方】
通常の講義形式による講義と問題演習形式の講義を交互に行う
【授業計画・課題】
第1回 | 集合の定義、例、和集合、共通部分、部分集合、補集合 |
第2回 | 第1回の講義内容に関する問題演習 |
第3回 | ド・モルガンの法則、分配法則、集合の間の写像 |
第4回 | 第3回の講義内容に関する問題演習 |
第5回 | 像と逆像、写像の合成、直積集合 |
第6回 | 第5回の講義内容に関する問題演習 |
第7回 | 集合の間の対応、添え字づけられた集合族 |
第8回 | 第7回の講義内容に関する問題演習 |
第9回 | 二項関係、同値関係、同値類、商集合 |
第10回 | 第9回の講義内容に関する問題演習 |
第11回 | 集合の濃度、濃度の大小関係、可算集合 |
第12回 | 第11回の講義内容に関する問題演習 |
第13回 | 連続の濃度、非可算集合、巾集合の濃度 |
第14回 | 第13回の講義内容に関する問題演習 |
課題は講義中に指示する
【授業時間外学修(予習・復習等)】
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
【教科書】
梅原雅顕・一木俊助「これからの集合と位相」裳華房 2021
【参考書、講義資料等】
内田伏一「集合と位相(増補新装版)」裳華房 2020
【成績評価の基準及び方法】
期末試験60%;演習 40%.詳細は最初の授業で説明する.
【関連する科目】
MTH.B202 : 位相空間論第二
MTH.B203 : 位相空間論第三
MTH.B204 : 位相空間論第四
【履修の条件(知識・技能・履修科目等)】
微分積分学第一・演習、微分積分学第二、同演習、線形代数学第一・演習、線形代数学第二、同演習を履修済みであることが望ましい。