講義名 幾何学特論F1(Advanced topics in Geometry F1  科目コード:MTH.B506
開講学期 2Q 単位数 1--0--0
担当 遠藤 久顕 教授:本館2階204号室(内線2208)


【講義の概要とねらい】
 本講義の主題は、4次元多様体のトポロジーに関するいくつかの基本定理である。ハンドル体の理論に関するいくつかの基礎事項を導入した後、Wallによる2つの定理を証明する。1つはh同境に関するものであり、もう1つは安定化に関するものである。次に、4次元閉スピン多様体の符号数が16で割り切れるというRochlinの定理を証明する。最後に、Rochlinの定理の応用として、Kervaire-Milnorの定理を証明する。本講義は第1クォーターに開講される「幾何学特論E1」の続論である。

【到達目標】
・多様体のハンドル分解の原理を理解すること
・Wallの定理とRochlinの定理の主張と証明を理解すること
・Rochlinの定理をホモロジー類の実現問題に応用できるようになること

【キーワード】
4次元多様体、交叉形式、Wallの定理、Rochlinの定理

【学生が身につける力】
専門力

【授業の進め方】
通常の講義形式による講義


【授業計画・課題】

第1回 ハンドル分解とh同境
第2回 Wallの定理(1)
第3回 Wallの定理(2)
第4回 Arf不変量と特性曲面
第5回 Rochlinの定理(1)
第6回 Rochlinの定理(2
第7回 Kervaire-Milnorの定理


課題は講義中に指示する

【授業時間外学修(予習・復習等)】
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。

【教科書】
特になし

【参考書、講義資料等】
R. E. Gompf and A. I. Stipsicz, 4-Manifolds and Kirby Calculus, American Mathematical Society, 1999.
A. Scorpan, The Wild World of 4-Manifolds, American Mathematical Society, 2005.
R. C. Kirby, The Topology of 4-Manifolds, Lecture Notes in Mathematics, Vol. 1374, Springer, 1989.
松本幸夫, 4次元のトポロジー(新版), 日本評論社, 2016.

【成績評価の基準及び方法】
レポート課題(100%).

【関連する科目】
MTH.B505 : 幾何学特論E1

【履修の条件(知識・技能・履修科目等)】
多様体やホモロジー群などの位相幾何学の基本的な知識を仮定する。