講義名 代数学特論G1(Advanced topics in Algebra G1) 科目コード:MTH.A507
開講学期 3Q 単位数 1--0--0
担当 内藤 聡 教授:本館2階232号室(内線2206)
【講義の概要とねらい】
群の表現論においては、与えられた群が様々な仕方でベクトル空間に作用する様子を調べる。
本講義では,
対称群の複素数体上の既約有限次元表現の分類と, それらの具体的な構成法について解説する. 但し, 本講義では, Frobenius,
Schur, Young による古典的なアプローチではなく, 近年になって Okounkov-Vershik
により導入された現代的なアプローチを紹介する. 本講義は, 引き続いて第 4Q に行われる「代数学特論 H1」へと続くものである.
【到達目標】
・対称群の有限次元表現の理論の基礎的概念と方法を理解する.
・対称群の既約有限次元表現の分類を理解する.
・対称群の既約有限次元表現の具体的構成方法を理解する.
【キーワード】
対称群, 既約表現, 分岐グラフ, Young グラフ
【学生が身につける力】
専門力
【授業の進め方】
通常の講義形式.また, 適宜レポート課題を出す.
【授業計画・課題】
第1回 | 対称群とその (有限次元) 既約表現 |
第2回 | Gelfand-Zetlin 代数とその構造定理 |
第3回 | 対称群の分岐グラフとその性質: part 1 |
第4回 | 対称群の分岐グラフとその性質: part 2 |
第5回 | 対称群の Young グラフとその性質 |
第6回 | hook length formula とその証明 |
第7回 | 分岐グラフと Young グラフの同型: part 1 |
第8回 | 分岐グラフと Young グラフの同型: part 2 |
課題は講義中に指示する
【授業時間外学修(予習・復習等)】
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
【教科書】
使用しない.
【参考書、講義資料等】
T. Ceccherini-Silberstein, F. Scarabotti, F. Tolli, Representation
Theory of the Symmetric Groups, Cambridge University Press, 2010.
M. Lorenz, A Tour of Representation Theory, American Mathematical Society,
2018.
【成績評価の基準及び方法】
上記レポートの解答状況による (100%). 詳細は講義中に指示する.
【関連する科目】
MTH.A508 : 代数学特論H1
MTH.A301 : 代数学第一
MTH.A302 : 代数学第二
MTH.A211 : 線形空間論第一
MTH.A212 : 線形空間論第二
【履修の条件(知識・技能・履修科目等)】
線形空間論と学部程度の代数学