講義名 解析学特論A1(Advanced topics in Analysis A1) 科目コード:MTH.C405
開講学期 1Q 単位数 1--0--0
担当 小池 開 助教:本館3階312号室(内線3398)
【講義の概要とねらい】
本講義では物理学や工学,あるいは幾何学など,様々な分野で重要な役割を果たす,非線形偏微分方程式の入門的な解説を行う.
「非線形偏微分方程式」という言葉が指す対象は広大であり,それぞれの方程式が独自の世界を形成している.とはいえ,ある程度は共通した指針・考え方もあり,これを知っておくことは個別の方程式について深く学ぶ際の助けになる.本講義のねらいは,具体的な非線形偏微分方程式を扱いつつ,こうした考え方を説明することにある.
なお,本講義は「解析学特論B1」と合わせて完結するものである.
【到達目標】
非線形偏微分方程式の解の性質を調べる上で役立つ手法・考え方を取得する.
【キーワード】
非線形偏微分方程式,ソボレフ空間,アプリオリ評価,エネルギー法
【学生が身につける力】
専門力
【授業の進め方】
通常の講義形式で行う. 適宜レポート課題を出題する.
【授業計画・課題】
OCWを参照のこと。
【授業時間外学修(予習・復習等)】
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
【教科書】
使用しない
【参考書、講義資料等】
[1] Lawrence C. Evans, Partial Differential Equations, American
Mathematical Society,
2010:説明が丁寧で読みやすい.また,取りあげているトピックのバランスもよい.とくに入門書ではしばしば扱いが小さい(が実際には中心的な研究対象である)非線形偏微分方程式を詳しく解説している点がありがたい.
[2] 松村昭孝・西原健二『非線形微分方程式の大域解』日本評論社(2004年):非線形偏微分方程式の解析で広く用いられるエネルギー法について解説した教科書である.定義・定理の羅列ではなく,非線形微分方程式を解く際の考え方が丁寧に解説されている.
[3]
スタンリー・ファーロウ『偏微分方程式―科学者・技術者のための使い方と解き方』朝倉書店(1996年):各種の偏微分方程式の導出,その物理的意味および解法が分かりやすく説明されている.こうした事柄は数学の教科書では省略されることが多く,本書で補うとよりよい理解が得られるだろう.
【成績評価の基準及び方法】
出席とレポート課題による.
【成績評価の基準及び方法】
出席と提出課題により評価する.
【関連する科目】
MTH.C406 : 解析学特論B1
【履修の条件(知識・技能・履修科目等)】
「解析学特論B1 (MTH.C406)」 も同時に履修すること。