講義名 幾何学特論H(Advanced topics in Geometry H) 科目コード:MTH.B504
開講学期 4Q 単位数 1--0--0
担当 Kalman Tamas 准教授:本館2階208号室(内線2217)
【講義の概要とねらい】
本講義では、結び目、絡み目、三次元多様体、Alexander 多項式、Morse 理論、Floer
ホモロジー等の概念を理解するとともに、基本的な性質を自力で証明できることを目標とする。Floer
ホモロジーは現代位相幾何学および周辺科学における先進的な分野であり、適用範囲の広い概念である。本講義では Heegaard Floer
homology とその応用を学ぶ。
【到達目標】
この講義の目的は、受講生が研究を始められるよう、低次元トポロジーにおける重要事項を解説することである。
【キーワード】
結び目、絡み目、三次元多様体、Alexander 多項式、種数とファイバー性、Morse 理論、Floer ホモロジー
【学生が身につける力】
専門力
【授業の進め方】
標準的な講義形式
【授業計画・課題】
第1回 | コンパクト性 (broken flow lines)、Morse 複体、貼り合わせ |
第2回 | Morse ホモロジーと特異ホモロジーとの同型 |
第3回 | シンプレクティック幾何学、ラグランジュ部分多様体、action functional |
第4回 | 擬正則曲線、ラグランジュ部分多様体の交叉理論、Maslov 指数 |
第5回 | Heegaard 図式、spin^c 構造 |
第6回 | 閉多様体の Heegaard Floer ホモロジー |
第7回 | d^2=0 や不変性、結び目 Floer ホモロジーの最初の定義 |
課題は、講義中に指示する
【授業時間外学修(予習・復習等)】
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
【教科書】
なし
【参考書、講義資料等】
C講義の概略として, Juhasz 氏の論文 (arXiv:1310.3418) と Manolescu 氏の論文 (http://arxiv.org/abs/1401.7107)
を使う。
Morse 理論については, Hutchings 氏の講義ノートが参考になる。(http://math.berkeley.edu/~hutching/teach/276-2010/mfp.ps)
【成績評価の基準及び方法】
レポート課題による
【関連する科目】
MTH.B202 : 位相空間論第二
MTH.B301 : 幾何学第一
MTH.B302 : 幾何学第二
【履修の条件(知識・技能・履修科目等)】
代数トポロジー(ホモロジー、コホモロジー、基本群等)を仮定する。基本的な複素解析を知っていることが望ましい。「幾何学特論G」を履修していること。
【その他】
講予備知識を気にせず、わからないことは率直に聞いてください。