講義名 解析学概論第一(Introduction to Analysis I) 科目コード:MTH.C201
開講学期 1Q 単位数 1--1--0
担当 隠居 良行 教授:本館2階202号室(内線2453)
三浦 達哉 助教:本館2階236号室(内線3399)
【講義の概要とねらい】
本講義では、1年次に微分積分学で学習した数列・関数の極限、微分法といった概念をいわゆるイプシロン・デルタ論法によって厳密に定式化する.また,関
数の多項式近似として重要なテイラー展開について学ぶ.各回で講義内容に関する演習問題を行い、諸概念の定着をはかる。本講義は、引き続き行われる「解析学概論第二」に続くものである。
本講義は,解析学を論理的に記述するための基礎能力を身につけることを目標とする.とくにイプシロン・デルタ論法に習熟し,微分積分学の基礎となる実数の極限操作を厳密に行う方法を学ぶ.
【到達目標】
・切断による無理数の構成を理解する.
・上極限・下極限の概念に親しむ.
・数列と関数の極限に関する命題をイプシロン・デルタ論法により表現し証明できるようになる.
・連続関数の性質(中間値の定理,最大最小値の存在)を理解する.
・テイラー展開や漸近展開による関数の多項式近似ができるようになる.
【キーワード】
実数の連続性,上限,下限,上極限,下極限,コーシー列,連続関数,微分,テイラー展開
【学生が身につける力】
専門力
【授業の進め方】
通常の講義のあと,演習を行う.
毎週のレポート課題に加え,小テストも適宜行う.
【授業計画・課題】
第1回 | 実数の連続性、上限と下限 |
第2回 | 第1回の講義内容に関する問題演習 |
第3回 | 数列の極限、コーシー列 |
第4回 | 第3回の講義内容に関する問題演習 |
第5回 | 級数の収束、無限和の順序交換 |
第6回 | 第5回の講義内容に関する問題演習 |
第7回 | 関数の極限と連続性 |
第8回 | 第7回の講義内容に関する問題演習 |
第9回 | 連続関数の性質 |
第10回 | 第9回の講義内容に関する問題演習 |
第11回 | 微分可能性、ロルの定理、平均値の定理 |
第12回 | 第11回の講義内容に関する問題演習 |
第13回 | 高階微分とテイラー展開 |
第14回 | 第13回の講義内容に関する問題演習 |
課題は講義中に指示する
【授業時間外学修(予習・復習等)】
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
【教科書】
特になし
【参考書、講義資料等】
「解析入門I」,「解析入門II」,杉浦光夫著,東京大学出版会
「解析入門I」,「解析入門II」,小平邦彦著,岩波書店
「解析概論」,高木貞二著,岩波書店
【成績評価の基準及び方法】
出席状況,小テスト,レポート.および演習における問題の解答状況などにより評価するである.詳細は講義中に指示する.
【関連する科目】
MTH.C202 : 解析学概論第二
MTH.C203 : 解析学概論第三
MTH.C204 : 解析学概論第四
【履修の条件(知識・技能・履修科目等)】
微積・線形の演習などを履修済みであることを前提とする.