講義名 代数学特論A(Advanced topics in Algebra A  科目コード:MTH.A401
開講学期 1Q 単位数 1--0--0
担当 水本 信一郎 教授:本館3階334A号室(内線2544)


【講義の概要とねらい】
 本講義では一変数正則保型形式について基礎的事項を説明する。まず学部程度の基礎知識を前提として、リーマン・ゼータ関数の基礎的性質を証明し、保型L関数の理論への導入とする。次に一変数正則保型形式を定義して、いくつかの実例を通して具体的な扱いに親しめるようにする。本講義は、引き続き行われる 「代数学特論 B」 に続くものである。
 保型形式は現代の整数論の基礎であり,群の表現論,数論幾何,理論物理などの様々の分野と関係する重要な数学的対象である。

【到達目標】
特に重要な概念は以下の通りである:
リーマン・ゼータ関数(オイラー積、解析接続、特殊値)、楕円保型形式、フーリエ係数、アイゼンシュタイン級数。
これらの概念に習熟し,自ら実例を計算する力を身につけることを目標とする。

【キーワード】
保型形式,モジュラー群, ゼータ関数

【学生が身につける力】
専門力、課題設定力、実践力または解決力

【授業の進め方】
通常の講義形式による。

【授業計画・課題】

第1回 乗法的関数
第2回 リーマン・ゼータ関数
第3回 リーマン・ゼータ関数の解析接続,特殊値
第4回 モジュラー群
第5回 楕円保型形式
第6回 楕円保型形式の例(1) アイゼンシュタイン級数
第7回 楕円保型形式の例(2) ラマヌジャンのデルタ関数


課題は講義中に指示する

【教科書】
使用しない

【参考書、講義資料等】
T. M. Apostol: Modular Functions and Dirichlet Series in Number Theory (Springer)

【成績評価の基準及び方法】
上記レポートの解答状況による。詳細は講義中に指示する。

【関連する科目】
MTH.A402 : 代数学特論B

【履修の条件(知識・技能・履修科目等)】
学部程度の代数,複素関数論