講義名 代数学第一 (Algebra I)  科目コード:MTH.A301
開講学期 1Q 単位数 1--1--0
担当 加藤 文元 教授:本館2階233号室(内線2202)


【講義の概要とねらい】
 本講義の主要なテーマは、(可換) 環とそのイデアルに関する基本的な諸概念と性質である。本講義では、先ず、(可換) 環とその種々のイデアル (単項イデアル、素イデアル、極大イデアル等の)、そしてこれらによる剰余環の基本的な性質を学ぶ。次に、環の間の準同型写像の概念、そして準同型定理・ 中国剰余定理を学ぶ。最後に、ユークリッド整域と (その一般化である) 単項イデアル整域の諸性質、そして一意分解環における素元と既約元の概念等を学ぶ。各回で、講義内容に関する問題演習を行う。本講義は、引き続いて行われ る 「代数学第二」 に続くものである。
 環とそのイデアル、そして剰余環は、代数学において最も基本的な概念であり、適用範囲の非常に広いもの である。一方で、これらは抽象的な概念であり、多くの初学者にとって理解が困難なものでもある。本講義では、(可換) 環の典型例である有理整数環・多項式環を通してこの様な抽象的概念に親しむことで、概念の定着を図る。

【到達目標】
本講義を履修する事により、以下の知識と能力を習得する。
・ (可換) 環のイデアル、単項イデアル、素イデアル、極大イデアル、剰余環の概念を正しく理解し、使う事ができる。
・準同型定理と中国剰余定理を理解し、正しく使う事ができる。
・ユークリッド整域と (その一般化である) 単項イデアル整域の諸性質を説明する事ができる。
・一意分解環における素元と既約元の概念を理解し、正しく使う事ができる

【キーワード】
環、イデアル、単項イデアル、剰余環、素イデアル、極大イデアル、単項イデアル整域

【学生が身につける力】
専門力

【授業の進め方】
通常の講義形式による講義と、問題演習形式の講義を交互に行う。

【授業計画・課題】

第1回 可逆元・零因子・べき零元と、整域
第2回 第1回の講義内容に関する問題演習
第3回 イデアルと単項イデアル
第4回 第3回の講義内容に関する問題演習
第5回 素イデアル・極大イデアルと剰余環
第6回 第5回の講義内容に関する問題演習
第7回 準同型定理および中国剰余定理
第8回 第7回の講義内容に関する問題演習
第9回 ユークリッド整域
第10回 第9回の講義内容に関する問題演習
第11回 単項イデアル整域
第12回 第11回の講義内容に関する問題演習
第13回 一意分解環、素元と既約元
第14回 第13回の講義内容に関する問題演習


課題は講義中に指示する。

【教科書】
講義中に指示する。

【参考書、講義資料等】
講義中に指示する。

【成績評価の基準及び方法】
講義中に指示する。

【関連する科目】
MTH.A201 : 代数学概論第一
MTH.A202 : 代数学概論第二
MTH.A203 : 代数学概論第三
MTH.A204 : 代数学概論第四
MTH.A302 : 代数学第二

【履修の条件(知識・技能・履修科目等)】
線形代数学第一・演習、線形代数学第二、線形代数学演習第二、線形空間論第一、線形空間論第二、代数学概論第一・第二、代数学概論第三・第四を履修済みであること、またはそれと同等の知識があること。