講義名 代数学概論第四Introduction to Algebra W  科目コード:MTH.A204
開講学期 4Q 単位数 1--1--0
担当 谷田川 友里 准教授:本館2階216号室(内線2701)
    Kelly Shane 准教授:本館3階334C号室(内線3392)

    染川 睦郎    助教:本館3階311号室(内線3390


【講義の概要とねらい】
代数学は数学的対象のもつ演算規則を抽象化・一般化した理論である。本講義の主要なテーマは、唯一つの演算をもつ数学的対象である群に関する基本的な概念と性質である。偶数回目の授業では前回の講義内容に関する問題演習を行い、概念の定着を図る。本講義は、直前に行われる「代数学概論第三」に続くものである。

群は数学および周辺科学における基本言語であり、応用範囲の広い概念である。しかしながら、群を有効に活用するためには、群を抽象的 な概念として習得することに加え、多くの実例に馴れ親しんでおくことも必要である。本講義では、集合と写像の概念に基づいた群の抽象的な取り扱いを学ぶと 共に、具体的な群の典型例を学ぶ。

【到達目標】
特に重要な概念である、群の準同型、正規部分群、群の準同型定理、共役類、類等式、群の作用、等を理解し、習熟する事。また、これらについての基本的な性質を自力で証明できる様になる事。

【キーワード】
群の準同型、正規部分群、群の準同型定理、共役類、類等式、群の作用

【学生が身につける力】
専門力

【授業の進め方】
通常の講義形式による講義と問題演習形式の講義を交互に行う。

【授業計画・課題】

第1回 群の準同型、群の準同型の像・核
第2回 群の準同型、群の準同型の像・核に関する問題演習
第3回 正規部分群、剰余群
第4回 正規部分群、剰余群に関する問題演習
第5回 群の第一、第二、第三準同型定理
第6回 群の第一、第二、第三準同型定理に関する問題演習
第7回 部分集合によって生成された部分群
第8回 部分集合によって生成された部分群に関する問題演習
第9回 元の共役、共役類、中心化群
第10回 元の共役、共役類、中心化群に関する問題演習
第11回 類等式とその応用
第12回 類等式とその応用に関する問題演習
第13回 群の作用
第14回 群の作用に関する問題演習
第15回 理解度確認


課題は講義中に指示する


【授業時間外学修(予習・復習等)】
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。

【教科書】
中島匠一:代数と数論の基礎,共立出版 2000.

【参考書、講義資料等】
堀田良之:代数入門−環と加群−,裳華房, 1987.
高木貞治:代数学講義, 共立出版, 1965.
高木貞治:初等整数論講義, 共立出版, 1971.
アンドレ・ヴェイユ:初学者のための整数論(ちくま学芸文庫),筑摩書房,2010.

【成績評価の基準及び方法】
期末試験の点数, および演習における問題の解答状況により評価する. 詳細は講義中に指示する.

【関連する科目】
MTH.A201 : 代数学概論第一
MTH.A202 : 代数学概論第二
MTH.A203 : 代数学概論第三

【履修の条件(知識・技能・履修済科目等)】
「線形代数学第一・演習」「線形代数学第二」「線形代数学演習第二」「代数学概論第一」「代数学概論第二」「代数学概論第三」を履修していることを前提とする。