講義名 幾何学特論H1(Advanced topics in Geometry H1  科目コード:MTH.B508
開講学期 4Q 単位数 1--0--0
担当 Kalman Tamas 准教授:本館2階208号室(内線2217)



【講義の概要とねらい】
本講義では、結び目、絡み目、三次元多様体、Alexander 多項式、Morse 理論、Floer ホモロジー等の概念を理解するとともに、基本的な性質を自力で証明できることを目標とする。Floer ホモロジーは現代位相幾何学および周辺科学における先進的な分野であり、適用範囲の広い概念である。本講義では Heegaard Floer homology とその応用を学ぶ。

【到達目標】
この講義の目的は、受講生が研究を始められるよう、低次元トポロジーにおける重要事項を解説することである。
【キーワード】
結び目、絡み目、三次元多様体、Alexander 多項式、種数とファイバー性、Morse 理論、Floer ホモロジー

【学生が身につける力】
専門力

【授業の進め方】
講義内容の理解を助けるための演習問題や参考文献を講義中に挙げていく.


【授業計画・課題】

第1回 コンパクト性 (broken flow lines)、Morse 複体、貼り合わせ
第2回 Morse ホモロジーと特異ホモロジーとの同型
第3回 シンプレクティック幾何学、ラグランジュ部分多様体、action functional
第4回 擬正則曲線、ラグランジュ部分多様体の交叉理論、Maslov 指数
第5回 Heegaard 図式、spin^c 構造
第6回 閉多様体の Heegaard Floer ホモロジー
第7回 d^2=0 や不変性、結び目 Floer ホモロジーの最初の定義
第8回 sutured Floer homology、種数およびファイバー性の決定の証明


各回とも定義と性質の確認を課題とする

【教科書】
特になし.必要に応じて講義資料を配布する.

【参考書、講義資料等】
講義の概略として, Juhasz 氏の論文 (arXiv:1310.3418) と Manolescu 氏の論文 (http://arxiv.org/abs/1401.7107) を使う。
Morse 理論については, Hutchings 氏の講義ノートが参考になる。(http://math.berkeley.edu/~hutching/teach/276-2010/mfp.ps)

【成績評価の基準及び方法】
レポート課題による

【関連する科目】
MTH.B202 : 位相空間論第二
MTH.B301 : 幾何学第一
MTH.B302 : 幾何学第二

【履修の条件(知識・技能・履修科目等)】
代数トポロジー(ホモロジー、コホモロジー、基本群等)を仮定する。基本的な複素解析を知っていることが望ましい。「幾何学特論G1」を履修していること。

【その他】
予備知識を気にせず、わからないことは率直に聞いてください。