講義名 幾何学特論F1(Advanced topics in Geometry F1) 科目コード:MTH.B506
開講学期 2Q 単位数 1--0--0
担当 野坂 武史 准教授:本館3階334B号室(内線2204)
【講義の概要とねらい】
本講義の主な題材は、ベクトル束に関する基本的な諸概念である。まず、切断、束写像、誘導ベクトル束、Whitney和、部分ベクトル束などのベクトル束に関連する基本的な概念を解説する。次に、かみ合わせ関数を用いて、球面上のベクトル束の分類を与える。最後に、Stiefel多様体、Grassmann多様体、普遍ベクトル束を導入し、分類空間と分類写像によるベクトル束の分類定理を証明する。
ベクトル束は位相幾何学および微分幾何学における基本的な概念の一つである。本講義はベクトル束に関する入門的な講義であり、最先端の幾何学を学ぶためのいくつかの予備知識を提供する。本講義は第2クォーターに行われる「幾何学特論E2」に接続する。
【到達目標】
・与えられたベクトル空間の族がベクトル束であるかどうか、判定できるようになること
・ベクトル束の様々な構成法を正確に理解すること
・簡単な場合に、球面上のベクトル束が分類できるようになること
・分類空間を用いたベクトル束の分類の原理を理解すること
【キーワード】
ベクトル束、切断、束写像、Whitney和、普遍ベクトル束
【学生が身につける力】
専門力
【授業の進め方】
通常の講義形式による講義
【授業計画・課題】
第1回 | ベクトル束、ベクトル束の同型、自明なベクトル束、接ベクトル束 |
第2回 | ベクトル束の切断、一次独立な切断、束写像、誘導ベクトル束 |
第3回 | ベクトル束の制限、直積とWhitney和、テンソル積と外積 |
第4回 | 写像のホモトピーと誘導ベクトル束 |
第5回 | 球面上のベクトル束とその分類、ベクトル束の向き |
第6回 | Stiefel多様体とGrassmann多様体、標準ベクトル束 |
第7回 | 普遍ベクトル束と分類空間 |
第8回 | K群と主G束 |
課題は講義中に指示する
【教科書】
特になし
【参考書、講義資料等】
田村一郎「微分位相幾何学」岩波書店
ミルナー/スタシェフ「特性類講義」丸善出版
フーズミュラー「ファイバー束」
【成績評価の基準及び方法】
レポート課題(100%).
【関連する科目】
MTH.B505 : 幾何学特論E1
MTH.E532 : 数学特別講義H
【履修の条件(知識・技能・履修科目等)】
位相空間、多様体、ホモロジー群に関する知識を仮定する。「幾何学特論E1」を履修していることが望ましい。