講義名 解析学特論C1(Advanced topics in Analysis C1) 科目コード:MTH.C407
開講学期 3Q 単位数 1--0--0
担当 利根川 吉廣 教授:本館2階203号室(内線2209)
【講義の概要とねらい】
幾何学的変分問題への応用を第一の目標とした,幾何学的測度論の基礎事項について解説する.特に4Qに解説する,
幾何学的測度論の枠組みで考える平均曲率流のBrakke流を理解するために必要な知識について重点的に解説する.
与えられた閉曲線を境界に持つ最小面積曲面の存在及びその正則性を問うプラトー問題は
非常に古典的な変分問題のひとつであるが,近年その動的版の問題である
平均曲率流の研究が微分幾何学的および変分的観点から盛んになされている.
平均曲率流は特異点を発生させるため,幾何学的測度論で扱われるような特異性をもつ曲面のクラスで
その存在を示すのが自然である.この講義では測度論の基礎的な事柄から始め,
可算修正可能集合や密度の概念に習熟することをねらう.
【到達目標】
・測度論の基礎的な被覆定理の議論を行うことができる.
・可算修正可能集合の基本的な性質を使って証明を理解できる.
・測度と第一変分の幾何学的,解析的関連性を見通せる.
・バリフォールドの枠組みで第一変分を理解できる.
【キーワード】
幾何学的測度論,可算修正可能集合,第一変分,面積公式,平均曲率
【学生が身につける力】
専門力
【授業の進め方】
通常の講義形式
【授業計画・課題】
第1回 | 測度論入門 |
第2回 | ハウスドルフ測度 |
第3回 | リプシッツ関数とRademacherの定理 |
第4回 | 部分多様体 |
第5回 | 面積公式と第一変分 |
第6回 | 可算修正可能集合 |
第7回 | 可算修正可能集合の第一変分 |
第8回 | バリフォールド |
課題は講義中に指示する
【教科書】
Introduction to geometric measure theory, Leon Simon
【参考書、講義資料等】
Measure theory and fine properties of functions, Lawrence C. Evans and Ronald F. Gariepy
【成績評価の基準及び方法】
レポート(100%)
【関連する科目】
MTH.C408 : 解析学特論D1
【履修の条件(知識・技能・履修科目等)】
ルベーグ積分論,曲面論
【連絡先】 ※”[at]”を”@”(半角)に変換してください。
tonegawa[at]math.titech.ac.jp