講義名 代数学特論A1(Advanced topics in Algebra A1) 科目コード:MTH.A405
開講学期 1Q 単位数 1--0--0
担当 内藤 聡 教授:本館2階232号室(内線2206)
【講義の概要とねらい】
表現論においては、各既約表現の (表現空間の) 良い基底を与え、それを用いて既約表現の明示的な指標公式を得る事は、最も重要な問題の一つである。
本講義では、複素有限次元半単純リー環の有限次元既約 (最高ウエイト) 表現に対する Littelmann による path 模型の理論を説明する。
この講義のねらいは、複素有限次元半単純リー環の有限次元既約表現の (ある) 良い基底に対して、
その組合せ論的で具体的なパラメトリゼーションを与えることである。
【到達目標】
有限次元複素半単純リー環の有限次元既約最高ウエイト表現の全体は、優整形式の全体によってパラメトライズされる。
本講義の目標は、任意に与えられた優整数ウエイトに対して、それを最高ウエイトとする有限次元既約最高ウエイト表現の (ある) 良い基底と 1 対 1 に対応している Lakshmibai-Seshadri (LS) パスと呼ばれる組合せ論的対象を具体的に書き下すことができるようになる事である。
【キーワード】
複素半単純リー環、既約最高ウエイト表現、結晶基底、Lakshmibai-Seshadri パス、Littelmann のパス模型
【学生が身につける力】
専門力
【授業の進め方】
通常の講義形式による授業を行う。
【授業計画・課題】
第1回 | 複素半単純リー環とそのルート系 |
第2回 | ワイル群とその上の Bruhat order |
第3回 | パスへのルート作用素 (柏原作用素) の作用 |
第4回 | ルート作用素 (柏原作用素) の性質 |
第5回 | LS パスの性質 |
第6回 | 標準モデル |
第7回 | LS パスへのルート作用素 (柏原作用素) の作用 |
第8回 | Littelmann のパス模型 |
課題は講義中に指示する
【教科書】
特になし
【参考書、講義資料等】
M. Kashiwara, Bases cristallines des groupes quantiques, Cours Specialises, Vol. 9, SMF.
【成績評価の基準及び方法】
レポート(100%)
【関連する科目】
MTH.A203 : 代数学概論第三
MTH.A204 : 代数学概論第四
MTH.A301 : 代数学第一
MTH.A302 : 代数学第二
【履修の条件(知識・技能・履修科目等)】
特になし
【その他】
予備知識を気にせず、わからないことは率直に聞いてください。