講義名 解析学特別講義D(Advanced courses in Analysis D) 科目コード:ZUA.C334
開講学期 4Q 単位数 1--0--0
担当 利根川 吉廣 教授:本館2階203号室(内線2209)
【講義の概要とねらい】
幾何学的測度論の枠組みで考える平均曲率流である,Brakke流について,その定義や近年の研究結果について解説する.
時間でパラメター付けされた曲面族が平均曲率流であるとは,各時刻において,その曲面の平均曲率がその点における速度に等しいときである.平均曲率流は曲面積の勾配流とも考えられ,また動かないときには極小曲面となる.平均曲率流は特異点を発生するため,特異点を許容するクラスで解を考えるのが自然で,それは丁度幾何学的測度論で考えられるバリフォールドを使って表現できる.この講義ではそのようないわゆるBrakke流について,その定義から出発し,最新の研究結果までの理解を目指す.
【到達目標】
・Brakke流の定義が理解できる.
・Brakke流の基本的性質を理解し,簡単な一般化を行うことができる.
・Brakke流の存在定理および正則性定理を拡張するための基礎的な知識を得る.
【キーワード】
平均曲率流,Brakke流,接流,コンパクト性定理,存在定理,正則性定理
【学生が身につける力】
専門力
【授業の進め方】
通常の講義形式による講義
【授業計画・課題】
第1回 | 滑らかな場合の平均曲率流 |
第2回 | Brakke流の定義 |
第3回 | Huiskenの単調性公式 |
第4回 | コンパクト性定理と接流 |
第5回 | Brakke流の存在定理I |
第6回 | Brakke流の存在定理U |
第7回 | Brakke流の正則性定理 |
課題は講義中に指示する
【教科書】
特になし
【参考書、講義資料等】
柳田英二「反応拡散方程式」,東京大学出版会
【成績評価の基準及び方法】
レポート(100%)
【関連する科目】
ZUA.C333 : 解析学特別講義C
【履修の条件(知識・技能・履修科目等)】
ZUA.C333 : 解析学特別講義Cの履修.
【連絡先】
tonegawa[at]math.titech.ac.jp (※”[at]”を”@”(半角)に変換してください。)