講義名 解析学特論F(Advanced topics in Analysis F) 科目コード:MTH.C502
開講学期 2Q 単位数 1--0--0
担当 志賀 啓成 教授:本館2階222号室(内線2219)
本講義ではタイヒミュラー空間およびクライン群とその変形空間についての基本的な理論を解説する.タイヒミュラー空間はリーマン面の複素構造の変形空間として理解され,クライン群は一次分数変換からなる離散部分群でその変形空間はタイヒミュラー空間の一般化である.これら理論は複素解析,トポロジー,複素力学系などにとって重要な理論である.本講義では擬等角写像を用いて,これらの理論を統一的に扱う.本講義は、直前のクォーターで行われた「解析学特論E」と合わせて完結するものである.
【到達目標】
・ベルトラミ方程式と擬等角写像の幾何学的意味を理解する.
・タイヒミュラー空間とBers 埋め込みを理解する.
・タイヒミュラー空間とKlein群の変形空間の複素構造の基礎事項を身につける.
【キーワード】
リーマン面,擬等角写像,タイヒミュラー空間,クライン群
【学生が身につける力】
専門力
【授業の進め方】
通常の講義形式で行う.適宜レポート課題を出す.
【授業計画・課題】
第1回 | 擬等角写像(その1:幾何学的定義と応用) |
第2回 | 擬等角写像(その2:解析的定義,ベルトラミ方程式) |
第3回 | タイヒミュラー空間 |
第4回 | タイヒミュラー空間の実現 |
第5回 | タイヒミュラー空間と正則運動 |
第6回 | Klein群の変形空間 |
第7回 | タイヒミュラー空間論の応用 |
第8回 | 理解度確認 |
課題は講義中に指示する
【教科書】
特になし
【参考書、講義資料等】
Ahlfors, "Lectures on Quasifoncormal mappings", AMS:邦訳あり
Hubbard, "Teichmuller Theory, Vol. 1"
【成績評価の基準及び方法】
レポート課題(100%)
【関連する科目】
MTH.C501 : 解析学特論E
【履修の条件(知識・技能・履修科目等)】
特になし
【その他】
2016年度に大学院に入学した学生は、この科目を教職科目として使うことはできません。
本年度の履修登録に当たっては十分に注意をして下さい。