講義名 位相空間論第三(Introduction to Topology V) 科目コード:MTH.B203
開講学期 3Q 単位数 1--1--0
担当 遠藤 久顕 教授:本館2階204号室(内線2208)
河井 真吾 助教:本館2階341A号室(内線2215)
【講義の概要とねらい】
本講義の主要なテーマは位相空間論である。まず集合上の位相を、開集合系、閉集合系、近傍系を使って定義し、位相空間の写像の連続性を学ぶ。次に距離位
相、相対位相、商位相、直積位相などの標準的な位相を解説する。最後に、ハウスドルフ性などのいわゆる分離公理を学ぶ。本講義は、第4Qで行われる「位相
空間論第四」に続くものである。
位相の概念は写像の連続性を記述するために必要な概念であり、幾何学はもちろんのこと、代数学および解析学でも頻繁に現れ、いずれの数学を学ぶ上でも必須の概念である。
【到達目標】
・位相のさまざまな記述方法を理解すること
・位相と写像の連続性の関係を理解すること
・さまざまな設定の下で自然に定まる位相について理解すること
・分離公理を満たさない空間の基本的な例を理解すること
【キーワード】
位相と位相空間、近傍系、第一可算公理、第二可算公理、連続写像、誘導位相、分離公理
【学生が身につける力】
専門力
【授業の進め方】
通常の講義形式による講義と問題演習形式の講義を交互に行う。
【授業計画・課題】
第1回 | 位相と位相空間 |
第2回 | 前回の講義内容に関する問題演習 |
第3回 | 開集合系の基と近傍系、第二可算公理 |
第4回 | 前回の講義内容に関する問題演習 |
第5回 | 基本近傍系、第一可算公理 |
第6回 | 前回の講義内容に関する問題演習 |
第7回 | 連続写像、同相写像 |
第8回 | 前回の講義内容に関する問題演習 |
第9回 | 相対位相、直積位相 |
第10回 | 前回の講義内容に関する問題演習 |
第11回 | 商位相、写像による誘導位相 |
第12回 | 前回の講義内容に関する問題演習 |
第13回 | ハウスドルフ空間、正則空間 |
第14回 | 前回の講義内容に関する問題演習 |
第15回 | 理解度確認 |
課題は講義中に指示する
【教科書】
「集合と位相」 内田伏一著 裳華房 (1986年)
【参考書、講義資料等】
「集合と位相」斎藤毅著 東京大学出版会 (2009年)
「集合・位相入門」 松坂和夫著 岩波書店 (1968年)
「集合と位相空間」 森田茂之著 朝倉書店 (2002年)
【成績評価の基準及び方法】
期末試験(およそ70%) および問題演習における解答状況(およそ30%)
【関連する科目】
MTH.B201 : 位相空間論第一
MTH.B202 : 位相空間論第二
MTH.B204 : 位相空間論第四
【履修の条件(知識・技能・履修科目等)】
「位相空間論第一」および「位相空間第二」を履修済みであることが望ましい。
「微分積分学第一・演習」、「微分積分学第二」、「同演習」、「線形代数学第一・演習」、「線形代数学第二」、「同演習」を履修済みであることが望ましい。