講義名 解析学概論第一Introduction to Analysis I)  科目コード:MTH.C201
開講学期 1Q 単位数 1--1--0
担当 柳田 英二 教授:本館2階202号室(内線2453)

    田辺 正晴 助教:本館3階314B号室(内線2203)



【講義の概要とねらい】
 本講義では、1年次に微分積分学で学習した数列・関数の極限、微分法といった概念をいわゆるイプシロン・デルタ論法によって厳密に定式化する.また,関 数の多項式近似として重要なテイラー展開について学ぶ.各回で講義内容に関する演習問題を行い、諸概念の定着をはかる。本講義は、引き続き行われる「解析学概論第二」に続くものである。
 本講義は,解析学を論理的に記述するための基礎能力を身につけることを目標とする.とくにイプシロン・デルタ論法に習熟し,微分積分学の基礎となる実数の極限操作を厳密に行う方法を学ぶ.

【到達目標】
・切断による無理数の構成を理解する.
・上極限・下極限の概念に親しむ.
・数列と関数の極限に関する命題をイプシロン・デルタ論法により表現し証明できるようになる.
・連続関数の性質(中間値の定理,最大最小値の存在)を理解する.
・テイラー展開や漸近展開による関数の多項式近似ができるようになる.

【キーワード】
実数の連続性,上限,下限,上極限,下極限,コーシー列,連続関数,微分,テイラー展開

【学生が身につける力】
専門力

【授業の進め方】
通常の講義のあと,演習を行う.
毎週のレポート課題に加え,小テストも適宜行う.

【授業計画・課題】

第1回 実数の連続性、上限と下限
第2回 第1回の講義内容に関する問題演習
第3回 数列の極限、部分列と集積点
第4回 第3回の講義内容に関する問題演習
第5回 上極限、下極限、コーシー列
第6回 第5回の講義内容に関する問題演習
第7回 級数の収束、無限和の順序交換
第8回 第7回の講義内容に関する問題演習
第9回 関数の極限と連続性
第10回 第9回の講義内容に関する問題演習
第11回 連続関数の性質
第12回 第11回の講義内容に関する問題演習
第13回 微分可能性、ロルの定理、平均値の定理
第14回 第13回の講義内容に関する問題演習
第15回 高階微分とテイラー展開,理解度確認


課題は講義中に指示する

【教科書】
特になし

【参考書、講義資料等】
「解析入門 I・II」 小平邦彦 著 岩波書店

【成績評価の基準及び方法】
期末試験(50%) とレポート課題および小テストの点数(50%)

【関連する科目】
MTH.C202 : 解析学概論第二
MTH.C203 : 解析学概論第三
MTH.C204 : 解析学概論第四

【履修の条件(知識・技能・履修科目等)】
微積・線形の演習などを履修済みであること.