講義名 代数学特論F1(Advanced topics in Algebra F1) 科目コード:MTH.A506
開講学期 2Q 単位数 1--0--0
担当 馬 昭平 准教授:本館2階218号室(内線3301)
染川 睦郎 助教:本館2階311号室(内線3390)
【講義の概要とねらい】
本講義では、有限体上の代数曲面の不分岐類体論を扱い、schemeの基本群とChow群の基礎を提供する。schemeの Picard群を復習して、代数的
K群と Chow群の定義と性質を説明し、例をいくつか調べる。また、schemeの基本群を定義し、これを étale colomologyにより言い換える。
次に体上の代数的K群とétale colomologyの関係を学ぶ。これらを用いて、有限体上の代数多様体に対して reciprocity mapを構成し、不分岐類体論の主定理を証明する。本講義は、「代数学特論E1」に続くものである。
代数的K群は数論幾何の問いのいくつかに答えるための手段として有用である。本講義では、代数的K群とétale colomologyを有限体上の代数多様体のreciprocity mapを調べることに適用する。
【到達目標】
本講義を履修する事により、以下の知識と能力を習得する。
・整数環と有限体上の代数曲線の類似を理解する。
・閉体上の代数曲線の étale cohomologyを理解する。
・体の代数的 K-群の構造を理解する。
・有限体上の代数曲線の不分岐類体論を理解する。
【キーワード】
étale cohomology, 基本群, Chow群, 代数的K群, 不分岐類体論
【学生が身につける力】
専門力
【授業の進め方】
通常の講義形式による講義を行う。
【授業計画・課題】
第1回 | 紹介 |
第2回 | 閉体上の代数曲線の étale cohomology |
第3回 | schemeの基本群 |
第4回 | schemeの Picard群と Chow群 |
第5回 | 有限体上の代数曲線の不分岐類体論 |
第6回 | 体の代数的 K-群と Bloch・加藤の予想 |
第7回 | reciprocity mapの構成 |
第8回 | 有限体上の代数曲面の不分岐類体論 |
課題は講義中に指示する
【教科書】
特になし。
【参考書、講義資料等】
講義資料は講義中に配布する。
【成績評価の基準及び方法】
レポート(100%)による。
【関連する科目】
MTH.A301 : 代数学第一
MTH.A302 : 代数学第二
MTH.A331 : 代数学続論
MTH.A505 : 代数学特論E1
【履修の条件(知識・技能・履修科目等)】
「代数学第一」、「代数学第二」、「代数学続論」、「代数学特論E1」を履修していること、
またはそれと同等の知識があること。