講義名 代数学特論E1(Advanced topics in Algebra E1  科目コード:MTH.A505
開講学期 1Q 単位数 1--0--0
担当 馬 昭平   准教授:本館2階218号室(内線3301)
    
染川 睦郎 助教:本館2階311号室(内線3390)


【講義の概要とねらい】
 本講義の主要なテーマは、数論幾何においてよく用いられる étale cohomology の概念と性質である。体のGalois理論を復習した後、Galois cohomology の定義と性質、および具体的な例を調べる。体の schemeの étale colomologyはGalois cohomologyである。étale cohomology は Galois cohomology の自然な拡張である。次にschemeと層の初歩を復習し、étale射と Grothendeick位相を学ぶ。それを用いて étale colomology の定義を行い、その性質を述べる。更に、幾つかの具体的な例を調べる。本講義は、引き続き行われる「代数学特論F1」に続くものである。
 数論幾何において étale cohomologyは普通に用いられる基本的な道具である。本講義では、étale cohomologyの定義を理解し、特に有限体上の代数曲線の étale cohomologyを正確に記述する。

【到達目標】
本講義を履修する事により、以下の知識と能力を習得する。
・étale cohomologyの定義と性質の理解
・étale cohomology と Zariski cohomologyおよびGalois cohomologyとの関係の理解
・低次の Galois cohomologyの計算
・低次の étale cohomologyの計算

【キーワード】
Galois cohomology, scheme, Zariski cohomology, étale射, Grothendieck位相, étale cohomology

【学生が身につける力】
専門力

【授業の進め方】
通常の講義形式による。


【授業計画・課題】

第1回 紹介
第2回 アーベル圏とcohomologyの一般論
第3回 無限次Galois理論の復習とGalois cohomologyの定義と性質
第4回 Grothendieck位相の上の層のcohomology理論
第5回 schemeとzariski位相の復習
第6回 étale射
第7回 étale cohomologyの定義と性質
第8回 体の étale cohomology


課題は講義中に指示する

【教科書】
特になし。

【参考書、講義資料等】
講義資料は講義中に配布する。

【成績評価の基準及び方法】
レポート(100%)による。

【関連する科目】
MTH.A301 : 代数学第一
MTH.A302 : 代数学第二
MTH.A331 : 代数学続論
MTH.A506 : 代数学特論F1

【履修の条件(知識・技能・履修科目等)】
「代数学第一」、「代数学第二」、「代数学続論」を履修していること、
またはそれと同等の知識があること。