講義名 代数学特論G(Advanced topics in Algebra G  科目コード:MTH.A503
開講学期 3Q 単位数 1--0--0
担当 内藤 聡   教授:本館2階232号室(内線2206)
    染川 睦郎 助教:本館3階311号室(内線3390)



【講義の概要とねらい】
 本講義の主要なテーマは、数論幾何においてよく用いられる etale cohomology の概念と性質である。体のGalois理論を復習した後、Galois cohomology の定義と性質、および低次の場合の具体的な例を調べる。体の schemeの etale colomologyはGalois cohomologyである。etale cohomology は Galois cohomology の自然な拡張である。次にschemeと層の初歩を復習し、etale射と Grothendeick位相を学ぶ。それを用いて etale colomology の定義を行い、その性質を述べる。更に、低次の場合の具体的な例を調べる。本講義は、引き続き行われる「代数学特論H」に続くものである。
 数論幾何において etale cohomologyは普通に用いられる基本的な道具である。本講義では、etale cohomologyの定義を理解し、特に数体上の代数曲線の低次の etale cohomologyを正確に記述する。

【到達目標】
本講義を履修する事により、以下の知識と能力を習得する。
・etale cohomologyの定義と性質の理解
・etale cohomology と Zariski cohomologyおよびGalois cohomologyとの関係の理解
・低次の Galois cohomologyの計算
・低次の etale cohomologyの計算。

【キーワード】
Galois cohomology, scheme, Zariski cohomology, etale射, Grothendieck位相, etale cohomology

【学生が身につける力】
専門力

【授業の進め方】
通常の講義形式による講義を行う。


【授業計画・課題】

第1回 体のGalois理論の復習
第2回 Galois cohomologyの定義と性質
第3回 低次のGalois cohomology
第4回 可換環論およびschemeと層の復習
第5回 etale射、Grothendieck位相
第6回 etale cohomologyの定義と性質
第7回 低次の etale cohomology
第8回 数論幾何におけるcohomology論


課題は講義中に指示する

【教科書】
特になし。

【参考書、講義資料等】
講義資料は講義中に配布する。

【成績評価の基準及び方法】
レポートによる。

【関連する科目】
MTH.A301 : 代数学第一
MTH.A302 : 代数学第二
MTH.A331 : 代数学続論
MTH.A504 : 代数学特論H

【履修の条件(知識・技能・履修科目等)】
「代数学第一」、「代数学第二」、「代数学続論」を履修していること、
またはそれと同等の知識があること。

【その他】
2016年度に大学院に入学した学生は、この科目を教職科目として使うことはできません。
本年度の履修登録に当たっては十分に注意をして下さい。