講義名 幾何学特論C(Advanced topics in Geometry C  科目コード:MTH.B403
開講学期 3Q 単位数 1--0--0
担当 村山 光孝 教授:本館2階216号室(内線2701)


【講義の概要とねらい】
 本講義では,単体複体の整係数ホモロジー論の一般化としての一般係数のホモロジー論と,ホモロジー論の双対的概念であるコホモロジー論について解説する. まず始めに単体複体の(整係数)ホモロジー群について復習し,その後,単体複体の一般係数のホモロジー論とコホモロジー論,一般係数の特異ホモロジー論と コホモロジー論の定義,ホモロジー論とコホモロジー論の公理系,および応用について述べる.本講義は,引き続き行われる「幾何学特論D」に続くものであ る.
 ホモロジー群とコホモロジー群は現代数学においては幾何学のみならず,代数学や解析学においても基本的な道具である.本講義においてはその考え方や性質の理解をねらいとする.

【到達目標】
本講義では次の様な数学の知識と考え方,及び計算力を身につけることを目標とする.
・以下にあげられている「キーワード」に関連する用語の定義を理解する
・ホモロジー論とコホモロジー論の主な発想や視点を把握する
・いくつかの位相空間のホモロジー群やコホモロジー群を計算できる様になる

【キーワード】
一般係数のホモロジー群とコホモロジー群,チェイン複体,コチェイン複体,サイクル,境界,ホモトピー,完全系列,切除同型

【学生が身につける力】
専門力

【授業の進め方】
通常の講義形式

【授業計画・課題】

第1回 単体複体のホモロジー群の復習,と一般係数のホモロジー群とコホモロジー群の定義
第2回 位相空間の特異ホモロジー群とコホモロジー群の定義及び写像
第3回 圏と関手,ホモロジー論,コホモロジー論の関手性
第4回 ホモロジー論とコホモロジー論の公理系の概説
第5回 ホモトピー公理,その例
第6回 完全系列,その例
第7回 切除公理
第8回 Mayer-Vietoris完全系列


課題は講義中に指示する

【教科書】
特になし

【参考書、講義資料等】
中岡稔著「位相幾何学 ホモロジー論」(共立出版)
その他,「位相幾何学」と名付けられた教科書

【成績評価の基準及び方法】
レポートや試験等をもとに評価する.詳細は講義中に指示する.

【関連する科目】
MTH.B341 : 位相幾何学
MTH.B404 : 幾何学特論D

【履修の条件(知識・技能・履修科目等)】
単体複体の(整係数)ホモロジー群の基本事項について理解していることが望ましい.