講義名 幾何学特論B(Advanced topics in Geometry B  科目コード:MTH.B402
開講学期 2Q 単位数 1--0--0
担当 遠藤 久顕 教授:本館2階204号室(内線2208)


【講義の概要とねらい】
 本講義の主な題材は、ベクトル束の特性類に関する基本的な諸概念である。特異ホモロジー論に関するいくつかの基礎事項を導入した後、Thomの同型定理 を証明し、向きづけられたベクトル束のEuler類を定義する。次に、その他の特性類、すなわちStiefel-Whitney類、Chern類、 Pontrjagin類を導入し、その基本的な性質を述べる。最後に、同境理論とHirzebruchの符号数定理に言及する。
 ベクトル束の特 性類は位相幾何学および微分幾何学における基本的な概念の一つである。本講義は特性類に関する入門的な講義であり、最先端の幾何学を学ぶためのいくつかの 予備知識を提供する。本講義は第1クォーターに行われる「幾何学特論A(MTH.B401)」の続論である。

【到達目標】
・ベクトル束の特性類の原理を理解すること
・Thomの同型定理の正確な内容と意義を理解すること
・簡単な場合に、特性類の計算ができるようになること

【キーワード】
特性類、Thom同型、Euler類

【学生が身につける力】
専門力

【授業の進め方】
通常の講義形式による講義を行う。

【授業計画・課題】

第1回 特性類という概念
第2回 特異ホモロジーと特異コホモロジー
第3回 コホモロジーの積構造(カップ積・クロス積)、切除定理
第4回 Thomの同型定理とその証明、Thom類
第5回 Euler類とその性質、Gysin完全系列
第6回 Stiefel-Whitney類とその性質、射影空間のはめ込み可能性
第7回 Chern類・Pontrjagin類とその性質
第8回 展望(同境理論、Hirzebruchの符号数定理)


課題は講義中に指示する

【教科書】
特になし

【参考書、講義資料等】
田村一郎「微分位相幾何学」岩波書店
ミルナー/スタシェフ「特性類講義」丸善出版

【成績評価の基準及び方法】
レポート提出(100%)

【関連する科目】
MTH.B401 : 幾何学特論A

【履修の条件(知識・技能・履修科目等)】
位相空間、多様体、ホモロジー群に関する知識を仮定する。幾何学特論A(MTH.B401)を履修していることが望ましい。