講義名 関数解析 (Functional Analysis)
開講学期 6学期 単位数 2--0--0
担当 柳田 英二 教授:本館2階202号室(yanagida@math.titech.ac.jp)


【講義の目的】
 関数解析学とは,関数の集合がなす無限次元空間とその上で
定義された作用素について,代数的,位相的,解析的な性質を
調べることを目的とした大きな数学分野である.この講義では,
各種の関数空間と線形作用素に関する基礎を解説する.
関数解析学の重要な抽象概念,および,幾つかの重要な
具体例の扱いの双方に習熟することを目的とする.


【講義計画】
1.バナッハ空間
  ノルム空間,バナッハ空間
2.ヒルベルト空間
  内積空間,ヒルベルト空間,(完全)正規直交系
3.線形作用素
  有界作用素,(可)閉作用素,開写像定理,一様有界性原理
4.共役空間
  線形汎関数,共役空間,ハーン・バナッハの定理,弱位相
5.発展的な話題
  スペクトル理論,コンパクト作用素,
  偏微分方程式論への応用等から,適宜話題を選択する.

【教科書・参考書等】
教科書は特に指定しない.参考書として以下の本をあげておく.
関数解析の基礎(コルモゴロフ/フォミーン著)岩波書店
関数解析(藤田宏著)岩波書店
関数解析(黒田成俊著)共立出版

【関連科目・履修の条件等】
 解析概論(第一,第二),集合と位相(第一,第二),応用解析序論,
実解析第一を履修していることが望ましい.

【成績評価】
 成績は中間試験と期末試験等(場合によってはレポート)によって
総合的に評価する.


【担当教員から一言】
 解析系の分野では,関数解析は必須の科目です.