講義名 解析概論第一 a(Advanced Calculus Ia)
開講学期 3学期 単位数 2--0--0
担当 志賀 啓成 教授 :本館2階222号室(内線2219)
【講義の目的】
解析概論第1aでは多変数解析学の基礎事項、特に微分とその応用について解説する。
【講義計画】
1:ユークリッド空間の集合と位相
1−1:ノルムと内積
1−2:ユークリッド空間の部分集合:開集合、閉集合等
1−3:完備性
1−4:コンパクト性
1−5:連結性
1−6:その他
2:連続関数
2−1:極限と連続関数
2−2:連続関数の性質
2−3:同相写像
2−4:その他
3:微分
3−1:微分可能写像
3−2:方向微分と偏微分
3−3:連鎖公式
3−4:平均値の定理
3−5:高階微分と Taylor の定理
3−6:極値と臨界点
3−7:その他
4:逆写像定理と陰関数定理
4−1:微分同相写像
4−2:逆写像定理とその応用
4−3:陰関数定理とその応用
5:多様体入門
5−1:多様体の定義
5−2:はめ込み定理と例
5−3:沈め込み定理と例
5−4:多様体の幾つかの同値な定義
【教科書・参考書等】
とりあえず教科書として
スピヴァック(斎藤正彦訳):多変数の解析学--古典理論への現代的アプローチ 東京図書(2007)を
指定するが、この本の通りに授業が進むとは限らない。またこの本に書いていない内容も多く取り上げる。
参考のため以下の本をあげておく。
小林昭七:続微分積分読本(多変数) 裳華房
W.
Rudin: Principles of Mathematical Analysis,
McGraw-Hill
(訳本あり ルディン(柳原二郎、近藤基吉訳):現代解析学 共立出版)
J. Jost: Postmodern
Analysis
(Universitext)
(訳本あり ヨスト(小谷元子訳): ポストモダン解析学 シュプリンガー東京)
【関連科目・履修の条件等】
1年次の微分積分学、線形代数を履修していることを前提とする。
【成績評価】
成績はレポートまたは中間試験、期末試験によって総合的に評価します。
【担当教員から一言】
微分積分学を、現代的な観点から再構成する。特にこの講義では、微分とその応用について解説する。
微分可能な写像とは、局所的に線形写像で近似できる写像であり、従ってそのような写像は、局所的には
線形写像が持つ良い性質をそのまま受け継ぐ。そういう意味で線形代数もよく理解しておく必要があるが、
習得しきれていない者は、この機会によく復習しておくこと。
質問に答える時間を設けるので、授業時間に配る練習問題等、分からないことがあれば質問に来ること。