講義名 代数学特論第四Advanced Algebra W
開講学期 8学期 単位数 2--0--0
担当 黒川 信重 教授本館2階228号室(内線2216)


【講義の目的】
多重三角関数論を講義する。
講義の目的は多重三角関数の基本的性質を紹介することである。

【講義計画】
はじめに、通常の三角関数とガンマ関数との関連を解説し、
ゼータ関数を用いて多重ガンマ関数と多重三角関数を導入する。
そのために必要となるゼータ関数論は復習を行う。多重三角関数の
基礎と種々の性質を解説したあと、その応用を述べる。
とくに、代数体の類体(アーベル拡大体)を特殊関数の特殊値によって
構成するという「クロネッカーの青春の夢」への応用、
ゼータ関数の特殊値を多重三角関数によって表示すること、
ゼータ関数のガンマ因子を多重三角関数によって計算すること、
が主となる。また、多重三角関数は多方面の数学に結びついているが、
絶対保型形式、一元体F1上の数学、黒川テンソル積との関連に触れたい。
ちなみに、多重三角関数は20世紀の終わりから、東工大において研究が
推進されてきた新しい関数であり、これからの展開が注目されている。


【教科書・参考書等】
教科書は用いない(実際のところ、本テーマの教科書はまだない)が、
いくつかの参考書や論文は講義で紹介したい。


【関連科目・履修の条件等】
前期の「ゼータ関数論」(黒川)を履修しているとスムーズであるが、
必要な点は適宜復習するので、必須ではない。


【成績評価】


【担当教から一言】