講義名 位相幾何学(Topology)
開講学期 5学期 単位数 2--0--0
担当 増田一男 准教授:本館3階13号室(内線2701)
【講義の目的】
位相幾何学, 特にホモロジー論の基礎およびその応用について講義する.
ホモロジー論は図形や位相空間の大局的性質を代数的量(より具体的には可換群)
により記述するもので, 古典的によく知られたオイラー数などの不変量を
ずっと精密に体系化したものと言える.
【講義計画】
位相幾何学やホモロジー群についての概説を述べた後
まず, 導入し易い単体複体とそのホモロジー群について解説する.
その後, より一般的な位相空間のホモロジー論について説明し
ホモロジー群の計算およびその応用を述べる.
時間があればCW複体のホモロジー論についても解説する.
より詳しい内容は以下の通り.
・序 位相幾何学およびホモロジー群についての概説
・ 単体,単体複体
・単体複体の Chain, Cycle, Boundary, Chain complex とそのホモロジー群
・単体複体対のホモロジー群, その間の写像
・位相空間対の特異ホモロジー論
・ホモロジー群の性質: ホモロジー群の長完全系列
写像のホモトピー, 切除定理, Mayer-Vietoris 完全系列など
・ホモロジー論の公理系
【教科書・参考書等】
教科書は特に指定しない.参考書としては
加藤十吉著「位相幾何学」(裳華房)を挙げておく.
【関連科目・履修の条件等】
線型代数,集合と位相, 及び代数学概論の初歩の知識を仮定する.
【成績評価】
期末試験だけによる.
【担当教官から一言】
ホモロジー論は位相幾何学や微分幾何学といった現代の幾何学のなかで
中心的役割を果たしているが, 幾何学に限らず現代数学全般にとっても
なくてはならない概念である.
幾何的性質がどの様に代数化されるか, といった
幾何学と代数学の相互作用の面白みを味わってほしい.