講義名 数学特別講義K(Special lectures on advanced topics in Mathematics K) 科目コード:MTH.E535
開講学期 2Q 単位数 2--0--0
担当 星野 壮登 大阪大学大学院基礎工学研究科・准教授
【講義の概要とねらい】
本講義の主要なテーマは,正則性構造理論の解説である.まず,ラフパス理論の基礎を復習し,その確率微分方程式への応用について紹介する.次に,ラフパス理論の拡張として理解できる形で,正則性構造理論の基礎を学習する.最後に,特異確率偏微分方程式の繰り込みへの応用について解説する.
正則性構造理論は多くの確率偏微分方程式に適用できるほど強力なものであるが,多くの抽象的な概念が登場し,初学者にとっては理解しにくいものである.本講義では,この理論を理解するのに必要となる,ラフパス理論,Hopf代数,繰り込みなどの基本的な概念を丁寧に解説していく.
【到達目標】
・特異確率偏微分方程式の繰り込みについて理解すること
・ラフパス理論や正則性構造理論の要点を理解すること
・正則性構造理論の記述に必要となる代数的な概念を理解すること
・正則性構造理論の特異確率偏微分方程式への応用を理解すること
【キーワード】
特異確率偏微分方程式, 正則性構造理論,ラフパス理論,分枝ラフパス,Hopf代数,正則性構造,model, modelled distribution, reconstruction, rooted decorated tree, BPHZ model
【学生が身につける力】
専門力
【授業の進め方】
通常の講義形式であるが,必要に応じて遠隔授業を行う.また,講義の中でレポート課題を出す.
【授業計画・課題】
第1回 |
以下の内容を順に解説する予定である. |
課題は講義中に指示する
【授業時間外学修(予習・復習等】
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
【教科書】
使用しない.
【参考書、講義資料等】
M. Hairer, ""A theory of regularity structures"", Invent, Math. 198 (2014), 269?504.
Y. Bruned, M. Hairer and L. Zambotti, ""Algebraic renormalisation of regularity structures"", Invent. Math, 215 (2019), 1039?1156.
【成績評価の基準及び方法】
レポート課題 (100%) による.
【関連する科目】
なし
【履修の条件(知識・技能・履修科目等)】
特になし.