講義名 数学最先端特別講義D(Special lectures on current topics in Mathematics D) 科目コード:MTH.E634
開講学期 4Q 単位数 2--0--0
担当 新田 泰文 非常勤講師(東京理科大学理学部・講師)
【講義題目】
標準Kähler計量の存在問題とHcscK系
【講義の概要とねらい】
Kähler幾何においてKähler-Einstein計量やスカラー曲率一定Kähler計量 (cscK計量) といった標準Kähler計量の存在問題は基本的な問題の一つであり,
今なお研究が進んでいる. この講義では, 最近ScarpaとStoppaが導入したHcscK計量という新しい標準Kähler計量の存在問題及び関連する問題について解説する.
その基本的事項を理解することが本講義の狙いである.
【到達目標】
・Kähler多様体の定義及びその基本的事項を修得すること
・曲率の概念に親しむこと
・スカラー曲率を運動量写像とみなせることを理解すること
・HcscK系及びHcscK計量の定義と基本的性質を理解すること
【キーワード】
Kähler多様体, cscK計量, 超Kähler多様体, 超Kähler運動量写像, HcscK系, HcscK計量, K-安定性
【学生が身につける力】
専門力
【授業の進め方】
通常の講義形式で行う.また,適宜レポート課題を出す.
【授業計画・課題】
概ね以下の内容を順に解説する予定である. ・Kähler多様体の基本事項 ・Kähler多様体の曲率, cscK計量 ・藤木-Donaldsonの運動量写像描像 ・余接束の超Kähler構造と超Kähler運動量写像 ・HcscK系とHcscK計量 ・安定性との関係 (時間があれば) |
課題は講義中に指示する
【教科書】
使用しない
【参考書、講義資料等】
Carlo Scarpa, The Hitchin-cscK system, PhD Thesis, Scuola Internazionale Superiore di Studi Avanzati
(またはarXiv:2010.07728)
【成績評価の基準及び方法】
レポート課題(100%)による
【関連する科目】
MTH.B301 : 幾何学第一
MTH.B302 : 幾何学第二
MTH.B331 : 幾何学続論
MTH.C301 : 複素解析第一
MTH.C302 : 複素解析第二
【履修の条件(知識・技能・履修科目等)】
「関連する科目」の内容をよく理解していることが期待される