講義名 数学特別講義A(Special lectures on advanced topics in Mathematics A  科目コード:MTH.E431
開講学期 2Q 単位数 2--0--0
担当 加藤 文元  教授:本館2階233号室
    金銅 誠之  名古屋大学大学院多元数理科学研究科 教授


【講義題目】
K3 曲面の自己同型を巡る話題

【講義の概要とねらい】
K3 曲面は代数幾何だけでなく数理物理などでも関心がもたれる研究対象である。
この講義では格子理論から始めて、トレリ型定理を紹介し、それらが K3曲面の研究に
どのように使われるかをお話しする。

【到達目標】
K3曲面の自己同型に焦点を絞ってお話しする。K3曲面の自己同型群は離散群(有限、無限どちらも起こり得る)である。
K3曲面の自己同型群、K3曲面に自己同型として作用する有限群等についてお話しする。

【キーワード】
複素多様体、K3曲面、エンリケス曲面、トレリ型定理、自己同型群、シンプレクティック自己同型、鏡映群、 格子、Niemeier 格子、Leech 格子、マシュー群

【学生が身につける力】
専門力

【授業の進め方】
通常の講義形式による講義を行う。また、適宜レポートを課す。

【授業計画・課題】

第1回 格子理論(unimodular 格子、Niemeier 格子、Leech 格子、マシュー群)1
第2回 格子理論(unimodular 格子、Niemeier 格子、Leech 格子、マシュー群)2
第3回 格子理論(unimodular 格子、Niemeier 格子、Leech 格子、マシュー群)3
第4回 K3曲面のトレリ型定理と自己同型群1
第5回 K3曲面のトレリ型定理と自己同型群2
第6回 K3曲面のトレリ型定理と自己同型群3
第7回 K3曲面に作用する有限群 (非シンプレクティック自己同型)1
第8回 K3曲面に作用する有限群 (非シンプレクティック自己同型)2
第9回 K3曲面に作用する有限群 (非シンプレクティック自己同型)3
第10回 K3曲面に作用する有限群(シンプレクティック自己同型とマシュー群との関係)1
第11回 K3曲面に作用する有限群(シンプレクティック自己同型とマシュー群との関係)2
第12回 K3曲面に作用する有限群(シンプレクティック自己同型とマシュー群との関係)3
第13回 Leech 格子とKummer曲面の自己同型群 1
第14回 Leech 格子とKummer曲面の自己同型群 2
第15回 Leech 格子とKummer曲面の自己同型群 3


課題は講義中に指示する

【教科書】
特に指定しない。

【参考書、講義資料等】
金銅誠之『K3曲面』共立出版(2015)
その他の講義資料は、講義中に配布する。

【成績評価の基準及び方法】
レポート課題の解答状況による。

【関連する科目】
MTH.A301 : 代数学第一
MTH.A302 : 代数学第二
MTH.A403 : 代数学特論C
MTH.A404 : 代数学特論D

【履修の条件(知識・技能・履修科目等)】
履修の条件は特に設けないが、関連する科目を履修している事が望ましい。