講義名 数学最先端特別講義B(Special lectures on advanced topics in Mathematics B) 科目コード:MTH.E632
開講学期 3Q 単位数 2--0--0
担当 馬 昭平 准教授:本館2階218号室(内線3301)
【講義の概要とねらい】
特に重要な概念は以下の通りである:
リーマンロッホの定理,セール双対性,標準モデル,ホッジ分解,アーベルヤコビ埋め込み,トレリの定理理解の定着のために、講義中に演習問題を提示するので、レポートとして提出すること。
【到達目標】
本講義では代数曲線(別名:コンパクトリーマン面)を学習する。代数曲線は現代幾何学において最も基本的な対象物であり,本講義では複素幾何・代数幾何の
観点から講義をする。コホモロジーのホッジ分解とその重要性,特にトレリの定理が1つ目の目標である。2つ目の目標として,リーマンロッホの定理を応用し
て代数曲線の標準モデルを調べていく。実際に使うことでリーマンロッホの定理の理解を深めてほしい。アーベルヤコビ埋め込みとガウス写像を考えることで
ホッジ構造と標準モデルは結びつく。
【キーワード】
代数曲線、リーマン面
【学生が身につける力】
専門力
【授業の進め方】
通常の講義形式による講義
【授業計画・課題】
第1回 | 代数曲線の定義と例 |
第2回 | 層、線束と因子 |
第3回 | コホモロジー |
第4回 | リーマン・ロッホの定理 |
第5回 | セール双対性と消滅定理 |
第6回 | 標準モデル |
第7回 | クリフォードの定理 |
第8回 | グリーン予想 |
第9回 | ホッジ構造とヤコビ多様体 |
第10回 | アーベル・ヤコビ埋め込み |
第11回 | トレリの定理 |
第12回 | テータ因子の幾何 |
第13回 | 代数曲線のモジュライ空間 |
第14回 | モジュライ空間上の線束 |
第15回 | ハリス・マンフォードの定理 |
課題は講義中に指示する
【教科書】
特になし
【参考書、講義資料等】
E.Arbarello, M.Cornalba, P.Griffiths, J.,Harris, `Geometry of Algebraic Curves I' Springer.
R.Narashimhan, `Compact Riemann surfaces'
J.Harris, I.Morrison, `Moduli of Curves' Springer
【成績評価の基準及び方法】
上記レポートの解答状況による。詳細は講義中に指示する.
【関連する科目】
ZUA.C301 : 複素解析第一
MTH.C302 : 複素解析第二
【履修の条件(知識・技能・履修科目等)】
予備知識を気にせず、わからないことは率直に質問する方がよい