講義名 微分幾何学特論第一(Topics in Differential
Geometry in the Large I)
開講学期 前学期 単位数 2--0--0
担当 小林 亮一 非常勤講師(名古屋大学大学院多元数理科学研究科 教授)
【講義の目的】
射影代数多様体上の特殊計量の存在は、Yau による Calabi 予想の解決に始まる。
与えられた c_1(X) に属する任意の実 (1,1) 形式に対して、それをリッチ形式にもつ
ケーラー形式が存在する。これが Calabi-Yau による基本定理であり、これに付随する
不動点の存在や、特異摂動問題が、基本定理に続く研究課題であり、これらは互いに
深く関連している。
本講義では、このうちの特異摂動問題に焦点をあてて、いくつかの極限定理や、
その代数幾何への応用について論じたい。
【講義計画】
第1部. Calabi-Yau の定理とその特異摂動について
第2部. Fano 多様体に次数の低い非特異因子で特異摂動をかけた場合の幾何
第3部. 同、解析
第4部. 特異摂動の代数幾何への応用について
第3部には、かなりハードで長い解析の議論が出てきます。
【教科書・参考書等】
ケーラー幾何については S. S. Chern, "Complex Manifolds without
Potential Theory" を参考にしてください。
【関連科目・履修の条件等】
予備備知識は、学部の幾何と解析で十分だと思います。上記参考書のうち、
射影空間のケーラー幾何とトポロジーを知っていれば、本講義は直観的に
理解しやすいと思います。
【成績評価】
レポート。
【担当教員から一言】