講義名 微分幾何学特論第一Topics in Differential Geometry in the Large I
開講学期 前学期 単位数 2--0--0
担当 高山 茂晴 非常勤講師(東京大学大学院数理科学研究科 准教授)


【講義の目的】
 代数多様体の基本的な双有理不変量として多重種数Pm (X ) = dimH 0(X, mKx )がある.

十分大きなm に対してPm (X )m n, n = dimX , となるときX は一般型とよばれる. 1次元,

2 次元の場合をモデルとして, 高次元の場合でも一般型代数多様体の集まりは, 次元を

固定すれば種々の有界性定理が成り立つことが期待されている. この講義では, その現

象の1つの例である次の定理について説明する. n 次元一般型代数多様体X に対して,

次元n にしかよらない数mn が存在してm mn ならば多重標準線形系|mKx | は双有理

写像を与える. 」基礎となる乗数イデアル層の理論から始めて, 技術的な鍵となる多重標

準型式の拡張定理などを説明し, それらを総合して上記の有界性を示す.


【講義計画】
 1. 乗数イデアル層と消滅定理
 2. 多重標準型式の拡張定理
 3. 随伴束の固定点自由性
 4. 有界性定理

【教科書・参考書等】
 [AG]: Hartshorne R., Algebraic geometry, GTM 52, Springer, 1977.
 [PAG]: Lazarsfeld R., Positivity in algebraic geometry I, II,

Ergebnisse der Math. und ihrer Grenzgebiete (3), 48-49, Springer, 2004.

【関連科目・履修の条件等】
代数幾何学の基礎, 層とコホモロジー.

【成績評価】
 講義中に指示する.

【担当教官から一言】
 特になし.