講義名 数学特別講義E第一(Special
Lecture E I)
開講学期 前学期 単位数 2--0--0
担当 伊藤 秀一 非常勤講師(金沢大学大学院自然科学研究科 教授)
【講義の目的】
力学系理論の源流であり,今日なお多くの研究の源と
なっている可積分ハミルトン系の摂動問題について,
ハミルトン力学系の入門を兼ねた解説を行う.
とくに,KAM(Kolmogorov-Arnold-Moser)理論と
Nekhoroshev 理論の概要と最近の進展について
お話したい.
【講義計画】
1.古典力学の運動と保存則
2.変分原理とハミルトン系
3.シンプレクティック構造
4.可積分系
5.近可積分系とその諸問題
6.準周期解の存在:KAM 理論
7.解の指数的安定性:Nekhoroshev 理論
【教科書・参考書等】
1.T. Kappeler and J. Poschel: KdV
and KAM, Springer, 2003.
2.伊藤秀一: 常微分方程式と解析力学,共立出版,1998.
【関連科目・履修の条件等】
できるだけ予備知識なしで理解できるように進めるが,
常微分方程式についての初歩的知識(解の存在定理など)を
仮定する部分が多少ある.
【成績評価】
出席とレポート提出による.
【担当教官から一言】
惑星の運動に代表される近可積分系をめぐる
研究について,面白さを感じてもらえるように
お話できたらと思っています.