2008年度代数幾何学セミナーの概要

瀧 真語 氏 (名古屋大学)
K3曲面上の非シンプレクティック自己同型
 K3曲面はその定義から至る所消えない2形式を持つ.それを保つ自己同型はシンプレクティックな自己同型を呼ばれる.
 今回はそうではない自己同型,特に代数的なK3曲面上の素数位数の非シンプレクティック自己同型について考察する.また,この固定点集合をp-elementary格子の不変量で特徴付ける.

大川 領 氏 (東京工業大学)
P^2上のBridgeland安定な対象のなすモジュライ空間
 射影平面P^2上のBridgeland 安定性条件について調べる。このことから、P^2上の安定層のなすモジュライ空間は、ある関係つき箙表現のモジュライ空間として構成できることがわかる。さらに箙表現のθ-安定性を変えることにより、壁越え現象が得られる。

渡辺 究 氏 (早稲田大)
Classification of polarized manifolds admitting homogeneous varieties as ample divisors
 非特異射影代数多様体Xとその上の豊富な直線束Lの組(X,L)を偏極多様体と呼ぶ.
 偏極多様体の研究において,与えられた多様体を線型系|L|のメンバーとして含むような組(X,L)の分類問題は,重要かつ中心的な問題の一つであり,多くの研究がなされてきた.
 本研究の出発点となったのは,A. J. Sommese 氏と藤田隆夫氏による以下の結果である.Sommese 氏は二次元以上のアーベル多様体を豊富な因子として含む多様体は存在しないことを示した. また,藤田氏は,グラスマン多様体G(r,\CC^n)を豊富な因子として含む多様体はr = 1, r =n-1, (n,r) = (4,2)の場合を除いて存在しないことを示した.
 本講演では,これらの結果を一般化し,等質多様体を豊富な因子として含む偏極多様体の分類について述べる.

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