故アルベール・カミュ (1913--60) 氏は、
あるときガリマール書店の彼の部屋でこういいました。
「私は小説を書きつづけるつもりだ。
もし小説を書かなかったら、 私が日本でこれほど読まれることもなかったろう。
小説は文学のあらゆる形式のなかで唯一の国際的な形式である」
と。


( 加藤周一 『読書術』 (岩波現代文庫) p.135 )