… 『モスクワ・ニュース』に載ったチュクチ族の投書は切々とこう訴えている。
「トナカイと暮らし、狩りや釣りのできた私の土地を返してほしい。
自動車がわがもの顔に走り回らない、 死後に安心して眠れるような土地を返してほしい。
盗難の心配がなく洗濯物が干せるような土地を返してほしい。
小さな土地でよいのだから。」


(石弘之『地球環境報告 II』(岩波新書) p.105)