11月2日(金) (二講演あります。)

15:00~16:00

辻村 昇太 氏(京大数理研)

「組み合わせ論的Belyiカスプ化とその応用」

要旨: 望月新一氏によって、p進局所体上の(狭義Belyi型と呼ばれる特別な種類の)双曲的 曲線の閉点に付随する分解群を復元する〝Belyiカスプ化"という 技術が開発されました。講演ではこのBelyiカスプ化を復習した後、Belyiカスプ化の ある組み合わせ論版について議論したいと思います。またその応用として、Y.Andre 氏によって定義されたp進Grothendieck-Teichmuller群GT_pから、Q_pの絶対ガロア 群への全射が構築できることを紹介したいと思います。


16:15~17:15

南出 新 氏(京大数理研)

「宇宙際タイヒミューラー理論における明示的評価について(in progress)」

要旨: 今回の講演では、望月新一氏によって創始された、宇宙際タイヒミューラー 理論の最近の進展について報告する。 宇宙際タイヒミューラー理論とは、大雑把に述べると、「一点抜き楕円曲線 付き数体」の「数論的タイヒミューラー変形」を遠アーベル幾何等を用いて 「計算」する理論である。 特に、その応用として、あるディオファントス幾何的不等式が帰結される。 今回の講演では、楕円曲線の6等分点を用いることによって完全に明示的な (=即ち非明示的な「定数」が一切現れない)不等式を得ることを目的と する最近の共同研究を紹介する。 (京都大学数理解析研究所の星裕一郎氏、望月新一氏、Nottingham大学の Ivan Fesenko氏、Wojciech Porowski氏との共同研究)


10月24日(水) 16:00~17:00
東工大本館2階 234セミナー室
(いつもと曜日と場所が異なりますので御注意下さい!)

Ivan Fesenko 氏(University of Nottingham)

「Two 2d adelic structures on elliptic surfaces and the BSD conjecture」

要旨: Two-dimensional local non-archimedean local fields arising from two-dimensional arithmetic geometry, e.g. formal power series over p-adic numbers, have two distinct integral structures: of rank 1 and of rank 2. Correspondingly, there are two distinct two-dimensional adelic structures on elliptic surfaces. Interestingly, they have a number of similarities with two symmetries of IUT. My talk will explain how an interaction between the two adelic structures on proper models of elliptic curves over global fields helps us to understand the meaning of the classical BSD conjecture and produce its equivalent reformulation in purely adelic terms. Part of this work is joint work with W. Czerniawska and P. Dolce.


↑ 次回以降の予定


東工大 数論・幾何学セミナー


2018年度 前期

於:(原則として)東工大本館2階 220セミナー室


10月5日(金) 16:00~17:00

権 寧魯 氏(九州大学 数理学研究院)

「SL(3,Z)の素測地線定理について」

要旨: モジュラー群SL(2,Z)のセルバーグゼータ関数の解析的性質から この群の素な双曲共役類を数える“素測地線定理”が証明される. これから,実2次整環全体に渡る類数和の漸近公式が導かれる. これのSL(3,Z)への一般化を考える.この群の階数1のカルタン 部分群に対応する素測地線定理については既に知られていたが, 階数2のカルタン部分群に対応する“素測地線定理”は知られて いなかった.(他の非ココンパクト階数2以上の群でも,階数2以上 のカルタン部分群に対応する素測地線定理で知られている例はなかった.) 今回,SL(3,Z)に対する跡公式のある種の単純化を用いることで, ある2変数のディリクレ級数の解析的性質を調べることが可能となり, 2次元のカルタン部分群に対応する“素測地線定理”を得た. これから,総実3次整環すべてに渡る類数和の漸近公式を得る. 以上は,A. Deitmar氏,P. Spilioti氏との共同研究である.


9月14日(金) 15:30~17:00

Simon Pepin Lehalleur 氏(Freie Universität Berlin)

「 A formula for the Voevodsky motive of the moduli stack of vector bundles over a curve」

要旨:Following Grothendieck's vision that many cohomological invariants of of an algebraic variety should be captured by a common motive, Voevodsky introduced a triangulated category of mixed motives which partially realises this idea. After describing this category, I will explain how to define the motives of certain algebraic stacks in this context. I will then state and sketch the proof of a formula for the motive with rational coefficients of the stack of vector bundles over a smooth projective curve. This formula is compatible with classical computations of various cohomological invariants of this stack by Harder, Atiyah-Bott, Behrend-Dhillon, etc. The proof uses rigidifications of the stack by certain Quot and Flag-Quot schemes as well as a motivic version of an argument of Laumon and Heinloth on the relative cohomology of small maps. This is joint work with Victoria Hoskins (FU Berlin).


7月31日(火) 16:00~17:00
東工大本館2階 224Bセミナー室
(いつもと曜日と場所が異なりますので御注意下さい!)

SoYoung Choi 氏 (Gyeongsang National University)

「Linear relations among half-integral weight Poincare series and algebraicity of coefficients of mock modular forms」

要旨: We construct an infinite family of half-integral weight Poincare series coming from vector valued harmonic weak Maass forms, and obtain linear relations among the Poincare series. We also relate the algebraicity of Fourier coefficients of half-integral weight mock modular forms to the vanishing of Fourier coefficients of its shadows.


7月13日(金) 16:00~17:00

成田 宏秋 氏(早稲田大学理工学術院)

「Non-tempered cusp forms on orthogonal groups of rank one」

要旨: 1変数保型形式にはない多変数保型形式独特の現象として「Ramanujan予想の反例の存在」 があるでしょう。Ramanujan予想の古典的な定式化は、保型表現論的には「カスプ保型表現 がすべての素点でtemperedであること」と言い換えることができます。 本講演では以下の2つの場合で、「すべての有限素点でnon-temperedな非正則実解析的カスプ形式」 (またはそれが生成するカスプ保型表現)の構成を1変数Maassカスプ形式からのリフティングにより 与えた最近の結果を紹介します。
 1.四元数体上の次数2の一般線形群(または5次元実双曲空間)
 2.符号(1,8n+1)の直交群(8n+1次元実双曲空間)
1の群は中心を法として符号(1,5)の直交群と本質的に同一視できます. この場合はBadulescu-Renardによる一般線形群のJacquet-Langlands対応により、 次数4の一般線形群の留数スペクトルと対応しているカスプ形式の構成です。 2の''8n''は定符号偶ユニモジュラー格子の階数を表しておりnは一般です。
(Darmstadt工科大のYingkun Li氏とOklahoma大のAmeya Pitale氏との共同研究)


7月6日(金) 16:00~17:00

長町 一平 氏(東大数理)

「多重双曲的曲線の良還元判定条件について」

要旨: Serre-Tateは, 離散付値体上のアーベル多様体が良還元を持つことと, 係数体の惰性群のl進Tate加群への作用が自明であることが同値であることを示した. この研究の非可換版として, 双曲的曲線が良還元を持つことと, 惰性群の幾何的 エタール基本群への副l外ガロア作用が自明であることの同値性が, 織田・玉川 により示されている. この講演では, 双曲的曲線の高次元版に当たる代数多様体, すなわち多重双曲的 曲線に対して同様の形の良還元判定法を, 種数に関する条件付きで与える.


6月15日(金) 16:00~17:00

石井 将大 氏(東京工業大学 学術国際情報センター)

「超特異楕円曲線の同種写像問題と自己準同型環の計算問題について」

要旨: 与えられた2つのsupersingularな楕円曲線に対して,それらの間に同種写像があればそれを構成・計算することは,現在効率的な(量子)アルゴリズムが見つかっておらず,困難であると考えられ,これを一般的な同種写像問題と呼び,この困難性に基づく暗号方式がいくつか提案されている.同種写像問題の困難性は,楕円曲線の自己準同型環の計算と密接に関わっており,最近それらの計算問題の同値性が示された.本講演では,同種写像問題と関連する計算問題の困難性,帰着関係について紹介し,同種写像を利用した暗号と,関連するその数学的性質について解説する.


6月8日(金) 16:00~17:00

Tapas Chatterjee 氏(インド工科大学)

「Special values of Riemann Zeta function and a conjecture of Milnor」

要旨: We will discuss a conjecture of John Milnor motivated by a conjecture of P. Chowla and S. D. Chowla. Later, we will link this conjecture to the special values of the Riemann Zeta function at odd integers.


5月11日(金) 15:30~17:00

小関 祥康 氏(神奈川大学)

「アーベル多様体のねじれ部分群とLubin-Tate拡大」

要旨: p進局所体上のアーベル多様体で良い還元をもつものを考える。 そのアーベル多様体の、円分Z_p拡大 L に値をとる有理点の成 す群のねじれ部分群が有限になることは1975年の今井秀雄氏の 結果として良く知られている。本講演ではより一般に L が p 進 局所体のLubin-Tate 拡大で記述される場合を考察する。この場合、 問題のねじれ部分群は有限にも無限になり得るが、今回は主に有 限となる場合の結果について紹介する。


4月20日(金) 15:30~17:00

Kirti Joshi 氏(The University of Arizona)

「On Chern class inequalities for surfaces in positive characteristic」

要旨:I will explain my proof of the inequality $c_1^2\leq 5c_2$ for a class of smooth, projective surfaces over algebraically closed fields of characteristic $p>0$. My approach is based on a study of slopes of Frobenius morphism on crystalline cohomology of $X$ and of the de Rham-Witt complex of $X$. In particular my methods do not require any lifting hypothesis.


2017年度 後期


3月 16日(金) (二講演あります)

14:45~15:45

星 裕一郎 氏(京大数理研)

「ある p 進局所体の絶対 Galois 群の外部自己同型群における体論的部分群の非正規性」

要旨: p 進局所体の自己同型は、自然にその絶対 Galois 群の外部自己同型を定める。一方、 よく知られているとおり、一般に、p 進局所体の絶対 Galois 群の外部自己同型であっ て、その p 進局所体の自己同型から生じないものが存在する。つまり、ある p 進局所 体の自己同型全体から定まるその絶対 Galois 群の外部自己同型群の部分群は、真の部 分群となることが知られている。この講演では、p 進局所体に対する様々な単遠アーベ ル復元アルゴリズムを用いることで、ある p 進局所体に対して、その絶対 Galois 群 の外部自己同型群の「体論的部分群」が、(真の部分群であるというだけでなく)正規 部分群ですらないということを証明する。

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16:00~17:00

澤田 晃一郎 氏(京大数理研)

「与えられた基本群を持つ多重双曲的曲線の同型類の有限性」

要旨: 双曲的曲線の逐次拡大として得られる多様体を多重双曲的曲線と呼ぶ。 双曲的曲線が"遠アーベル多様体"であることから、 その逐次拡大である多重双曲的曲線も遠アーベル多様体であることが期待され、 実際、(適当な体上の)次元4以下の多重双曲的曲線については Grothendieck予想が成り立つ、すなわち、 そのような多重双曲的曲線の同型類は基本群によって完全に決定される ということが星氏によって示されている。だが、 次元が5以上の多重双曲的曲線のGrothendieck予想は現在も未解決である。 この講演では、与えられた基本群を持つような(適当な体上の任意次元の) 多重双曲的曲線の同型類が高々有限個であるという結果を紹介する。


2月 23日(金) 16:00~17:00
於:201セミナー室 (いつもと場所が異なりますので御注意下さい!)

安田 雅哉 氏(九大IMI)

「格子上の最短ベクトル問題と格子基底簡約入門」

要旨: 格子理論を利用した格子暗号の安全性は、 格子上の最短ベクトル問題(Shortest Vector Problem, SVP)や 最近ベクトル問題(Closest Vector Problem, CVP) などの格子問題の計算量困難性に基づいている。 本講演では、最短ベクトル問題を効率的に解くための方法である 格子基底簡約(lattice basis reduction)を紹介する。 特に、ドイツ・ダルムシュタット大学が公開している SVP Challenge における問題を解くための格子基底簡約アルゴリズムについて、 実際の計算機上での実演を交えながら紹介する。


2月 9日(金) 16:00~17:00

鈴木 正俊 氏(東工大理)

「ゼータ関数とド・ブランジュ空間」

要旨: ド・ブランジュ空間は整関数の成すヒルベルト空間の一種であり, ハミルトニアンと呼ばれる行列値関数により特徴付けられる. 一方, リーマン予想を仮定すると, リーマン・ゼータ関数からあるド・ブランジュ空間が構成される事が 2005年のラガリアスの仕事により知られていた. この時, リーマン予想はハミルトニアンの性質に反映されるため, その具体的な形に興味が持たれるが, それはこれまで知られていなかった. この講演では, ゼータ関数そのものではなく, それを微小変形したような整関数の族や, 局所ゼータ関数(適当な関数等式を満たす指数多項式)の場合には, ハミルトニアンの形をある程度具体的に求めることができる という結果の概要を説明する.


1月 26日(金) 16:00~17:00

Liang-Chung Hsia 氏 (National Taiwan Normal University)

「On common divisors of sequences over function fields」

要旨: In this talk, we'll discuss the common divisors among sequences arising from cyclic groups generated by rational points $P_i\in E_i(K)$ of elliptic curves $E_i$ ($i=1, 2$) defined over the function field $K$ of a smooth projective curve $C$ over $\bar{\mathbb Q}$. More precisely, let $\mathcal{E}_i\rightarrow C$ be the elliptic surfaces over $C$ with generic fiber $E_i$ and let $\sigma_{P_i}, \sigma_{Q_i}$ be sections (corresponding to points $P_{i}, Q_{i}$ of the generic fibers) of $\mathcal{E}_i$ (for $i=1,2$). The question that we're concerned with is whether or not there are infinitely many $t \in C(\Qbar)$ such that for some integers $m_{1,t},m_{2,t}$ we have $[m_{i,t}](\sigma_{{P_{i}}}(t))=\sigma_{Q_{i}}(t)$ on $\mathcal{E}_i$ (for $i=1,2$). We provide an answer to this question. A special case of our result answers a conjecture made by Silverman.
This is a joint work with Dragos Ghioca and Tom Tucker.


1月 19日(金) 15:30~17:00

Evangelos Routis 氏 (Kavli IPMU)

「Complete complexes and spectral sequences」

要旨: The space of complete collineations is an important and beautiful chapter of Algebraic Geometry, which dates back to the classical works of Chasles, Giambieli, Schubert, Semple and Tyrell in the 19th century and has been studied intensively ever since. By analogy with these classical spaces, in joint work with M. Kapranov, we introduce the variety of complete complexes. Its points can be seen as equivalence classes of spectral sequences of a certain kind. We prove that the set of such equivalence classes has the structure of a smooth projective variety, which provides a desingularization, with normal crossings boundary, of the Buchsbaum-Eisenbud variety of complexes, i.e., a so-called ``wonderful compactification'' of the union of its maximal strata.


11月 24日(金) 16:00~17:00

Gautami Bhowmik 氏(リール第一大)

「Goldbach Representations with Congruences」

要旨: The classical Goldbach problem examines the possibility of expressing even integers as the sum of two primes. The associated generating function gives satisfactory asymptotics under the Riemann Hypothesis and obtaining sufficiently good error terms unconditionally is equivalent to solving the famous hypothesis. In joint work with K. Halupczok, K. Matsumoto and Y. Suzuki, we consider the case where the summands are in arithmetic progression and obtain asymptotics assuming now a conjecture on distinct zeros of Dirichlet L-functions. The existence of good error terms gives information on the the location of zeros of these functions.


11月 10日(金) 16:00~17:00

瀧 真語 氏(東海大)

「K3曲面と対数的有理曲面」

要旨: K3 曲面とその上の有限自己同型を考えます。 このとき商曲面は自然な考察対象ですが, 大きく分けて3種類のクラスの多様体が現れます。 この講演では対数的有理曲面, 特に対数的エンリケス曲面が現れる場合を扱い, その特異点の様子と対応する K3 曲面(と自己同型)について解説します。


10月 27日(金) 16:00~17:00

大橋 久範 氏(東京理科大)

「エンリケス曲面の自己同型とエントロピーについて」

要旨: ここでのエントロピーというのは 空間 X 上の自己写像 f に対して定義される, その写像の「複雑さ」を表す量であり, 空間がコンパクトケーラー多様体の場合には f のコホモロジー作用を経由して計算することができる (Gromov-Yomdin theorem). X が代数曲面の場合には,現れるエントロピーは Salem 数という非常に特別な代数的整数と密接な関係がある. この講演では,エンリケス曲面上の自己同型写像についての 一つの一般的な性質を定式化し, そのエントロピーの分布問題への応用を紹介する.
名古屋大学の松本雄也さんと, Jagiellonian 大学の S. Rams さんとの共同研究.


10月 13日(金) 15:30~17:00

高島 克幸 氏(三菱電機)

「格子と同種写像に関するアルゴリズムの耐量子暗号への応用」

要旨: 量子計算機の出現に備えて、 量子計算機でも効率的に破れない公開鍵暗号の研究が活発に行われている。 本講演では、その候補である格子暗号と同種写像暗号について紹介する。 Shorの量子アルゴリズムにより、 素因数分解問題や離散対数問題が効率的に解ける。 更に、Shorアルゴリズムにより、より広いクラスである 有限アーベル群に対する隠れ部分群問題が効率的に解けるので、 それを避ける数学構造及びその上の計算量仮定、 そしてその仮定に基づいた(効率的な)暗号構成が必要になる。 本講演では、特に、格子と(楕円曲線間)同種写像という 数学構造を利用する方法について概説する。


2017年度 前期

於:(原則として)東工大本館2階 224Bセミナー室


7月 21日(金) 15:30~17:00

伊豆 哲也 氏(富士通研究所)

「楕円曲線離散対数問題と類似問題の解読状況について」

要旨: 楕円曲線離散対数問題 (ECDLP) は楕円曲線暗号 (ECC) の安全性の根拠となる数学的問題であり、 どんなサイズの ECDLP が解かれたか/解かれそうかという情報は、 ECC のパラメータ変更や選択に大きな影響を与えるため、 定期的な情報更新は欠かせない。 本講演では、ECDLP のいくつかの解読アルゴリズムを紹介するとともに、 最新の解読状況をまとめ、今後の解読予測を示す。 また、ECDLP の類似問題である付加情報付き楕円曲線離散対数問題 (ECDLP with Auxiliary Input) についても紹介し、 その意義・解読方法・記録・予測・影響についても触れる。


7月 14日(金) 15:30~17:00

鈴木 貴士 氏(東京工業大学)

「Abel 多様体の特殊ファイバーの連結成分についての Grothendieck の双対性予想」

要旨: 剰余完全体の局所体上に Abel 多様体とその双対がありますと, それぞれの Neron モデルの特殊ファイバーの幾何的連結成分の成す有限群が定まります. Grothendieck は SGA 7 で,これら二つの有限群の間に 自然なペアリングを定義し,それが完全である事を予想しました. この予想の講演者による証明を解説致します.鍵となるのは, 剰余体の(超越)拡大体の成す圏上の Grothendieck サイト 「有理エタールサイト」で, 局所体の Abel 多様体係数コホモロジーはこのサイト上の層と見なす事が出来ます.この関手的枠組みにより, Grothendieck 予想が,Galois 降下が効く形で再定式化されます. 予想は半安定の場合は知られている(Werner による)ので, よって一般の場合が従う事となります. 時間が許せば,この双対性理論の大域関数体版にも触れる予定です. これは Cassels-Tate ペアリングを基礎体完全体に一般化するもので, 高さペアリングの非退化性や Artin-Milne の有限平坦双対性もその一部として含みます.


6月 16日(金) (2講演あります)

14:45~15:45

李 正勲 氏(名古屋大学)

「非アルキメデス的力学系におけるジュリア集合上の力学系の安定性について」

要旨: 非アルキメデス的かつ完備なノルム付き代数的閉体の上で力学系を考える. 与えられた有理写像のもつジュリア集合上の力学系に対して, その有理写像を少し変えてもジュリア集合上の力学系は "変わらない"ことの十分条件を紹介する.

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16:00~17:00

Ade Irma Suriajaya 氏(理化学研究所)

「ディリクレ L関数の一階導関数の非零領域
 A new zero-free region for the first derivative of Dirichlet L-functions」

要旨 / Abstract


5月 12日(金) 15:30~17:00

新井 啓介 氏(東京電機大学)

「志村曲線の有理点とハッセ原理の反例の無限族」

要旨: 志村曲線の代数体上の有理点が存在しないための十分条件をいくつか与える。 さらに、そこからハッセ原理の反例の無限族が得られることも紹介する。 志村曲線の定義方程式や、Manin obstruction との関連についても触れる 予定である。


4月 14日(金) 15:30~17:00

Gal Binyamini 氏 (Weizmann Institute of Science, Israel)

「Differential equations and algebraic points on transcendental varieties」

要旨: The problem of bounding the number of rational or algebraic points of a given height in a transcendental set has a long history. In 2006 Pila and Wilkie made fundamental progress in this area by establishing a sub-polynomial asymptotic estimate for a very wide class of transcendental sets. This result plays a key role in Pila-Zannier's proof of the Manin-Mumford conjecture, Pila's proof of the Andre-Oort conjecture for modular curves, Masser-Zannier's work on torsion anomalous points in elliptic families, and many more recent developments. I will briefly sketch the Pila-Wilkie theorem and the way it enters into the arithmetic applications. I will then discuss recent work on an effective form of the Pila-Wilkie theorem (for certain sets) which leads to effective versions of many of the applications. I will also discuss a joint work with Dmitry Novikov on sharpening the asymptotic from sub-polynomial to poly-logarithmic for certain structures, leading to a proof of the restricted Wilkie conjecture. The structure of the systems of differential equations satisfied by various transcendental functions plays a key role for both of these directions.


2016年度 後期

3月 9日(金) 13:30~14:30

星 裕一郎 氏 (京大数理研)

「巾零許容固有束の超特異因子について」

要旨: 巾零許容固有束とは、 正標数の双曲的な代数曲線上の適当な性質を満たす接続付き射影直線束 のことであり、 古典的な p 進 Teichmuller 理論における重要な対象である。 本講演では、まず最初に、巾零許容固有束という概念の簡単な復習を行う。 その後に、曲線の種数や無限遠因子の次数や基礎体の標数が小さい場合の、 巾零許容固有束、及び、その特別な場合である巾零通常固有束の 超特異因子(つまり、Hasse 不変量が定める因子)の 明示的な表示に関する講演者の結果を説明する。


2月 3日(金) 16:00~17:00

Chieh-Yu Chang 氏 (国立清華大学(台湾))

「Linear relations among double zeta values in positive characteristic」

要旨: In this talk, we will introduce multiple zeta values (MZV's) over function fields in positive characteristic initiated by Thakur 2004. In the first half, we will give a survey on the development of MZV's over the past few years, and give a comparison with the classical counterpart. In the second half, we will present our recent result about an effective criterion for computing the dimension of double zeta values and give an outline of the proof.


1月 20日(金) 16:00~17:00

Chan-Ho Kim 氏 (KIAS)

「On anticyclotomic μ-invariants of modular forms in families」

要旨: We discuss vanishing of anticyclotomic \mu-invariants of modular forms in Hida families. The key ingredient is an integral refinement of quaternionic Hida theory. It is a part of the joint work of F. Castella and M. Longo, and we also discuss its slight generalization.


1月 13日(金) 
(二講演あります。いつもと時間が違ひますので御注意下さい!)

15:15~16:15
Yoonbok Lee 氏(Incheon National University)

「Simple zeros of primitive Dirichlet L-functions and the asymptotic large sieve」

要旨: Assuming the generalized Riemann hypothesis, we show using the asymptotic large sieve that 91% of the zeros of primitive Dirichlet L-functions are simple. This improves on earlier work of Özlük which gives a proportion of at most 86%. We further compute the q-analogue of the Pair Correlation Function F(α) averaged over all primitive Dirichlet L-functions in the range |α| < 2. Previously such a result was available only when the average included all the characters χ. This is a joint work with Chandee, Liu and Radziwill.


16:30~17:30
Dohoon Choi 氏(Korea Aerospace University)

「Computing semistable deformation rings for certain 3-dimensional Galois representations」

要旨: Let p be a prime. Let G be the absolute Galois group of Q_p. Let F be an algebraic clousre of a finite field with characteristic p. Let r_1 be a 1-dimensional representation of G over F and r_2 be a 2-dimensional representation of G over F. Let r be an extension of r_1 by r_2 (or an extension of r_2 by r_1). In this talk, under several assumptions (on r and Hodge-Tate weights and so on), I will talk about computing the semistable deformation ring of r with specified Hodge-Tate weights. This is a joint work (in progress) with S. Choi and C. Park.


12月 16日(金) 16:00~17:00

Antoine Ducros 氏 (Institut de mathématiques de Jussieu, Université Paris 6)

「Families of Berkovich spaces」

要旨: I will present various results around relative properties in non-archimedean analytic geometry, including the notion of flatness and of quasi-smoothness in this context, the study of "generic fibers", and the description of the locus of relative validity of some usual properties (like being Cohen-Macaulay, Gorenstein, Complete intersection, regular...).


11月 15日(火) 16:00~17:00  於:東工大本館 201セミナー室

(いつもと曜日と場所が違ひますので御注意下さい!)

Daniel Allcock 氏 (University of Texas in Austin)

「Kac-Moody groups as Amalgams」

要旨: We will present the latest iteration of the following result about Kac-Moody groups: they are amalgams (pushouts) of the Kac-Moody groups coming from the finite-type subdiagrams of their Dynkin diagrams. Namely, this holds except in circumstances like the ground ring not being finitely generated, or the Dynkin diagram being extremely small or having some edges labeled infinity. This is probably close to the best possible theorem along these lines. There are several structural consequences. The easiest to state is that Kac-Moody groups are "usually" finitely presented, except when they obviously aren't (like over the real numbers).


10月 28日(金) 15:30~17:00

權業 善範 氏(東大数理)

「有限体上の Fano 3-fold の有理点について」

要旨: ファノ多様体というのは射影空間みたいな多様体で、 有理曲線がたくさんあります。 そういう多様体の上の有理点の個数が標数を法にして 1 であることが 多様体が非特異の場合、エノーさんによって知られています。 今回その話を特異点を許す場合に拡張する話をします。 こう言う問題はある p進コホモロジーの消滅定理を示せば十分である ことが跡公式によりわかります。 そういうコホモロジーを消すのに代数多様体の極小モデル理論と 有理曲線の幾何を使うという話です。 インペリアルカレッジの田中公さんと東大数理の中村勇哉さんとの共同研究です。


10月 14日(金) 16:00~17:00

吉川 祥 氏(東大数理)

「総実代数体上の楕円曲線の保型性について」

要旨: Taylor-Wiles や Breuil-Conrad-Diamond-Taylor によって証明された 志村-谷山予想は、有理数体上の楕円曲線と保型形式との結びつきを主張 するものである。 これは GL2 の大域 Langlands 対応の特殊な場合とみなされる。 有理数体のかわりに総実代数体を考えることで志村-谷山予想の自然な 一般化を定式化できるが、近年、 Freitas-Le Hung-Siksek が実二次体の場合を完全に解決した。 本講演では、この問題にまつわる最近の進展を説明するとともに、 講演者が最近得た結果 「3,5,7で不分岐かつアーベルな総実代数体 について、その体上の楕円曲線は全て保型的である」 について解説する。


2016年度 前期

7月 28日(木) 16:00~17:00

Dinesh Thakur 氏(Rochester 大)

「Function field Multizeta values」

要旨: We will discuss several results and conjectures about relations between multizeta values and related structures in function field arithmetic.


7月 8日(金) 16:30~18:00

Fabien Benoit Trihan 氏(上智大理工)

「Geometric Iwasawa Theory」

要旨: Let K be a function field of characteristic p>0 , let A/K be a semi stable abelian variety. We will consider a finite (resp. profinite) Galois extension of F/K, unramified everywhere and will prove under some assumption the Equivariant Tamagawa Number conjecture (resp. Iwasawa Main Conjecture) for (A/K,F/K).


2016年 6月 30日(木) 16:00~17:00

三原 朋樹 氏(東工大理)

「P点存在定理と p進連続関数」

要旨: P点存在定理は ZFC 公理系では証明も反証も出来ないことが知られている。 P点存在定理が成立するか否かによって位相空間上の C値連続関数のなす C代数の極大イデアルの高さが変化することが知られており、これにより 具体的な C代数であって極大イデアルの高さが ZFC 公理系から定まらない ものが構成される。今回はこの p進類似として、P点存在定理が成立するか 否かによって位相空間上のp進連続関数環のなす p進代数の極大イデアルの 高さが変化することを示し、これにより具体的な p進代数であって極大 イデアルの高さが ZFC 公理系から定まらないものを構成する。


2016年 6月 10日(金) 15:30~17:00

服部 新 氏(九大数理)

「Hilbert eigenvariety の整数重みでの固有性について」

要旨: p を素数とする.様々な代数群 G に対し,G 上の有限傾斜 p進過収束固有形式(正確には,その空間に現れるHecke固有値系) がp進解析的多様体をなすことが知られている.この多様体は 固有値多様体(eigenvariety)と呼ばれ,近年の整数論において 重要な研究対象となってきたが,固有値多様体の幾何学的性質について 多くのことが分かっているわけではない. 固有値多様体が固有(proper)であるとは,原点を除いた単位円盤から 固有値多様体への射が必ず原点に延長されることを言う.これは 代数幾何における固有性の付値判定法の弱い一般化であり, 楕円保型形式に対する固有値多様体であるColeman-Mazur固有値曲線 (eigencurve)の場合は,その固有性がDiao-Liuによって示されている. 一方で,近年大きく発展したAbel多様体の標準部分群(canonical subgroup) の理論は,固有値多様体の構成そのものに用いられるだけでなく, 過収束保型形式の解析接続の研究にも有効である.Fを総実代数体で, pで不分岐かつp上の剰余次数が全て2以下であるものとする. 本講演では,標準部分群の理論を用いて,F上のHilbert保型形式に対する 固有値多様体の整数重みでの固有性を証明する.


2016年 5月 13日(金) 16:00~17:00

谷田川 友里 氏(東大数理)

「Characteristic cycle of a strongly clean sheaf of rank one」

要旨:The characteristic cycle of a constructible complex on a smooth variety is defined by T. Saito using vanishing cycles and the singular support defined by A. Beilinson. We consider the case where the constructible complex is a rank one sheaf satisfying a strongly clean condition on the ramification of the sheaf. We see how the characteristic cycle is constructed in terms of ramification theory in this case.