講義名 位相空間論第一Introduction to Topology I  科目コード:MTH.B201
開講学期 1Q 単位数 1--1--0
担当 遠藤 久顕 教授:本館204号室(内線2208)
    河井 真吾 助教:本館3階314A号室(内線2215)
    新田 泰文 助教:本館2階236号室(内線3399)


【講義の概要とねらい】
 本講義の主要なテーマは集合と写像に関する基本的な概念と性質である。集合に関する基本的な演算を解説した後、集合の間の写像に関する基本的な概念(単射、全射、全単射)を学ぶ。次に、二項関係、特に同値関係について解説し、同値類および商集合について学ぶ。最後に、集合の間の相等について解説し、いわ ゆる濃度について学ぶ。また、隔回で講義内容に関する演習問題を行う。本講義は、引き続き行われる「位相空間論第二」に続くものである。
 集合と 写像は数学および周辺科学における基本言語であり、適用範囲の広い概念である。一方でこれらは抽象的な概念であり、必ずしも直感がはたらきやすいものでは ないため、多くの初学者にとっては理解しにくいものである。本講義では、集合と写像の基本的な性質を導くために、直感に頼ることの少ない純粋な論証を行 い、数学における論理の進め方の典型例も学ぶ。

【到達目標】
・ド・モルガンの法則を自由に使えるようになること
・与えられた写像が全射になるか、単射になるか、全単射になるか判定できるようになること
・与えられた写像の像と逆像を求められるようになること
・同値関係と商集合の具体例を扱えるようになること
・連続の濃度と可算の濃度の違いを理解すること

【キーワード】
集合、写像、像と逆像、直積集合、二項関係、同値関係、商集合、集合の濃度、可算濃度と非可算濃度

【学生が身につける力】
専門力

【授業の進め方】
通常の講義形式による講義と問題演習形式の講義を交互に行う

【授業計画・課題】

第1回 集合の定義、例、和集合、共通部分、部分集合、補集合
第2回 第1回の講義内容に関する問題演習
第3回 ド・モルガンの法則、分配法則、集合の間の写像
第4回 第3回の講義内容に関する問題演習
第5回 像と逆像、写像の合成、直積集合
第6回 第5回の講義内容に関する問題演習
第7回 集合の間の対応、添え字づけられた集合族
第8回 第7回の講義内容に関する問題演習
第9回 二項関係、同値関係、同値類、商集合
第10回 第9回の講義内容に関する問題演習
第11回 集合の濃度、濃度の大小関係、可算集合
第12回 第11回の講義内容に関する問題演習
第13回 連続の濃度、非可算集合、巾集合の濃度
第14回 第13回の講義内容に関する問題演習
第15回 理解度確認


課題は講義中に指示する

【教科書】
「集合と位相」 内田伏一著 裳華房 (1986年)

【参考書、講義資料等】
「集合と位相」 斎藤毅著 東京大学出版会 (2009年)
「集合・位相入門」 松坂和夫著 岩波書店 (1968年)
「集合と位相空間」 森田茂之著 朝倉書店 (2002年)

【成績評価の基準及び方法】
期末試験(およそ70%) および問題演習における解答状況(およそ30%)

【関連する科目】
MTH.B202 : 位相空間論第二
MTH.B203 : 位相空間論第三
MTH.B204 : 位相空間論第四

【履修の条件(知識・技能・履修科目等)】
微分積分学第一・演習、微分積分学第二、同演習、線形代数学第一・演習、線形代数学第二、同演習を履修済みであることが望ましい。