講義名 数学特別講義D第二Special Lectures on Mathematics D II
開講学期 後学期 単位数 2--0--0
担当 足利 正 非常勤講師(東北学院大学工学部 教授)


【講義の目的】
この分野は1963年のKodairaによる楕円曲線の退化族の研究をその源流とするが,
その後多くの数学者により様々な方法が取り入れられ, 現代的な複合分野として
発展して来ている。ここではその入門的な内容から始めて最近のトピックに至る
までを
,多くの例を交えながらできるだけ丁寧に講義したい。

【講義計画】
1.導入
2.楕円曲線の退化:
   Kodaira による分類とJ関数を用いる退化族構成, 2重被覆とADE特異点を用いる構成等
3.種数2以上の曲線の退化:
   位相モノドロミーの性質, Matsumoto-Montesinosの定理を用いる分類,
   
与えられたモジュライ写像芽とモノドロミーを持つ退化族構成等
4.未解決問題群とそれに対する注意

【教科書・参考書等】
教科書は特に使用しませんが全般的なサーベイとして以下の2点をあげます:
 (i) T.Ashikaga and K.Konno; Global and local properties of pencils of algebraic curves,
   Adv.St.Pure Math.36 (2002), 1—49.

 (ii) 足利正, 遠藤久顕; リーマン面の退化族の諸相, 数学 56 (2004), 49—72.
なおこれらに盛られたもの以外の参考文献は講義中に示唆します。

【関連科目・履修の条件等】
代数曲線の初歩, ホモロジーとコホモロジーの初歩的知識程度を仮定します。

【成績評価】
出席, レポート

【担当教員から一言】