講義名 数学特別講義D第一Special Lectures on Mathematics D I
開講学期 前学期 単位数 2--0--0
担当 松本 耕二 非常勤講師(名古屋大学大学院多元数理科学研究院 教授)


【講義の目的】
最近急速に発展しつつある多重ゼータ関数の理論について, その解析的
な側面を基礎から講義する。

【講義計画】
古典的な Riemann のゼータ関数や Dirichlet L 関数の二乗平均値問
題に関する Atkinson の方法から始める。この方法が二重ゼータ関数の解析接
続や漸近展開の問題に自然に結び付く。次いでより一般の多変数の多重ゼータ
関数を導入し, Mellin-Barnes 積分の方法でその解析的性質を調べる。種々の
応用にも可能な限り触れたい。

【教科書・参考書等】
教科書は特に指定しない。私が書いた多重ゼータ関数関連の論文の中で,
K. Matsumoto, On the analytic continuation of various multiple
zeta-functions, in "Number Theory for the Millennium II",
M. A. Bennett et al. (eds.), A K Peters, 2002, pp.417-440,
K. Matsumoto, Analytic properties of multiple zeta-functions in
several variables, in "Number Theory: Tradition and
Modernization", W. Zhang and Y. Tanigawa (eds.), Springer, 2006,
pp.153-173
はサーベイ的な面が強い論文なので, 参考になるかもしれない。

【関連科目・履修の条件等】
学部で習う程度の一変数の複素関数論は予備知識として仮定せざるを得
ない。他に, Riemann のゼータ関数についての定義プラスアルファ程度の知識
があれば理解しやすくなるかもしれないが, ゼータ関数については一応全くの
基礎から講義するつもり。

【成績評価】
出席とレポートによって評価する。

【担当教官から一言】
多変数多重ゼータ関数の解析的な方向の研究は最近になって始まったば
かりなので, 未知の原野だかジャングルだかを探検している気分で, 私自身は
ここ数年, ワクワクしながら研究しています。そうした面白さを伝えられれば,
と思っています。