講義名 数学特別講義A第二Special Lecture A II
開講学期 8学期 単位数 2--0--0
担当教官 藤野 修 非常勤講師(名古屋大学 助教授)

【講義の目的】

トーリック多様体と呼ばれる代数多様体について講義する。トーリック多様体につい
ての森理論は
80
年代前半にReid氏によって研究された。この講義ではトーリック版森理論の理論
的側面を解説したい。
使い方次第でまだまだ応用のある分野である。また、トーリック版森理論を通して
一般の代数多様体に
対する極小モデル理論の考え方も説明したい。


【講義計画】
まず、トーリック多様体と扇の対応について説明する。この部分は既に良く知られ
ている話である。
次に、森理論をトーリック多様体の上で展開する。つまり、トーリック多様体上で
双有理幾何学
を展開する。Reid氏による組み合わせ論的な記述ではなく、理論的側面を主に解説する。


【教科書・参考書等】
[1] O.Fujino, H.Sato, Introduction to the toric Mori theory, Michigan
Math. J. 52 (2004), no.3,
649--665.

[2] W.Fulton, Introduction to toric varieties, Princeton University
Press, Princeton, NJ, 1993.


【関連科目・履修の条件等】
トーリック多様体の基礎は難しくないが、扇による記述は慣れるのに若干の時間を
必要とする。
講義までに数学セミナー20043月号の特集記事等の解説記事に目を通しておくと良
いと思う。
特集記事の中の石井志保子著「コーンと多様体」はお勧めである。


【成績評価】
 レポートにより評価する。


【担当教官から一言】
トーリック版森理論はReid氏の論文以降あまり研究されてこなかったように思う。
Reid
氏の論法は
組み合わせ論的であり、独特の難しさがあった。トーリック版森理論の基礎は組み
合わせ論的記述とは
独立であり、非常に単純な話であることを理解して欲しい。